前のエピソード――第5話メイン本文

味噌汁とご飯をよそい、テーブルに並べると、俺はふぅっと一息ついた。異世界でこんなに快適に生活できるなんて、まさか思いもしなかった。お椀に入れた味噌汁からは湯気が立ち上り、豆腐とワカメが美味しそうに浮かんでいる。ご飯も炊きたてで、湯気がたっぷりだ。

「よし、これで食事は完璧だな」

俺は着席し、先ほど願って出てきたリモコンを手に取る。テレビをつけると、画面がパッと光り、リビングが明るくなった。どんな番組が映るのか気になりつつ、まずはリモコンを操作してチャンネルを変えてみる。すると、なんとこの異世界でも放送がされているらしい。どうやら地元の情報番組のようだが、まだこの世界がどんなものなのかよくわからない。

「ま、いいか。とりあえず飯だ」

箸を手に取り、ご飯を口に運ぶ。ふっくらした米の甘みと、味噌汁の塩気が絶妙だ。まるで自宅で食べる朝ごはんのようにホッとする味だ。特に、麦味噌を使った味噌汁は懐かしさを感じさせる。まさか、こんな状況で自分の好みの味噌汁が飲めるとは思わなかった。

「これは、今後も自炊でいけるな」

そう思いながら、俺は次に刺身を口に運ぶ。やはり新鮮な魚は最高だ。テレビを眺めつつ、食事を続けていると、ふとこれからの生活が楽しみになってきた。

「さて、次は何を願おうか……」

テレビに映る風景を見ながら、俺は今後の計画を少しずつ考え始めた。この異世界、まだまだ未知のことが多いけれど、この能力があれば何でもできそうな気がする。そして、俺はこの世界でどんな冒険が待っているのかを期待しながら、ゆっくりと食事を続けた。