コミケ転生

マックス一郎

第1話 夏コミケの5人のコスプレイヤー

202X年8月某日(土)

東京ビッグサイト

夏コミケ1日目 13時頃(一番暑い時間になる直前)


日本の恐ろしい蒸し暑い夏の日にこれだけの人数が一か所で集まるのは正直、おかしな話。それでも毎年のこの時期、この2日間、巡礼のごとく、28万人以上の参加者が集まる。

コミケ1日目だったのでコスプレイヤー、同人誌作家などが自慢の力作を精力的に発表していた。


その中、以下の人物たちはマイナーでカルト的なゲーム、漫画などに並みならぬ情熱を注いでた。


小田原ゆかり、22歳、165センチ、下手なアイドルな女優より数段美人のチェーン店コーヒーショップのアルバイト店員は力を入れたコスプレ衣装を披露した。コスプレ衣装だけではなく、ダイエットに励んだ自分もカメラの前に自慢したかった。

彼女が扮するキャラクターは超絶不人気でマイナーなRPG【V・フォア・ヴァンパイア・ブラッド】の女性吸血鬼の銃士、愛美・バートリ、別名:ハニー・バートリだった。黒髪のボブヘア、似非の犬歯、赤い目(コンタクトレンズ)、黒い専用アサルトスーツとお手製のSIG SAUERもどきの二丁拳銃が特徴のキャラクター。


高橋宗一、28歳、180センチ、黒いリーゼントの建設会社の平社員は自慢の肉体も含めて、披露していた。彼は扮するキャラクターは休刊となったほぼ誰も覚えてないマイナーな青年漫画雑誌、週刊ヤング・マンのほぼ誰も覚えていない、不人気漫画家フジキ・スズオの漫画、パラレルワールドの日本で亜人のヤクザの喧嘩屋が活躍する物語、【仁義なき竜一家】の竜人・仁義なき竜ノ助。背筋、肩、鍛えられた腕と足がよく見せる黒と赤の派手な服を着ていた。


小田秀斗、26歳、大手企業に勤める、170センチ、ひょろひょろで色白で女性的な雰囲気が漂うSEで某Xの裏アカで男の娘として勤しんでいた彼は扮するキャラクターはまったく売れなかった不人気なバトルゲーム【幻想世界・ウロボロス】の女性エルフのバーサーカー・ユイナー。金色のビキニ・アーマーで長い金髪のかつら、青い目(コンタクトレンズ)、某人気漫画パクリの斬馬刀と黄金に輝く弓と矢も力を入れて、作って、今回のコミケで披露していた。


安田みのり、27歳、155センチ、しなやかな人体の持ち主、ペン・ネーム:吉田みのりで様々なエッセイを書いてる作家だった、普段の見た目は如何にも教養のある、控えめな女性の外見をしていた。実際はエッセイストになる前、風〇嬢だった。彼女が扮するキャラクターはワンクールで打ち切りとなりまったく人気が出なかった某テレ〇京深夜アニメ、【猫族忍者の里】の主人公、猫獣人のくノ一、佐治・サチコのコスプレだった。くノ一の白と黒の衣装、白いかつら、緑色の目(コンタクトレンズ)だった。自慢の短刀、鎌と手裏剣も丁寧に作った。


佐藤匠(たくみ)、21歳、175センチ、普通体系、二枚目で愛嬌のある若いイケメン。俳優志望で某オスカー俳優の次男だった。彼は某ゲーム機専用侍バトルゲーム、【戦国鬼伝】の主人公、苗字も名前のない一本角の赤鬼の侍、鬼切丸だった。父親のコネで赤と黒の本格的な小道具の鎧と本物そっくりの日本刀を手に入れて、赤い髪と赤い目(コンタクトレンズ)で参加した。


この5人はまったくの赤の他人だった。全員は今回初のコミケ参加者。

今まで様々な理由で参加できなかったが、今年は不思議とすべてがスムーズに進んで、念願だった夏コミケに参加していた。


カメラを持った参加者たちが有名コスプレイヤーの周りに集まり、写真を撮りまくっていた。5人の衣装は目を引いたが、ライト層のカメラマンたちにはほぼ無名なキャラクターたちだった。カルトやガチ勢のカメラマンたちには少々話題になった。


暑い中でポーズを取るのは楽じゃなかったものの、5人は満足していた。

熱気、興奮、シャッター音が入り混じる会場だった。


そして突然それが起きた。


青い夏の空が一瞬で曇った。

眩しい日差しが消えた。

ゲリラ豪雨のような暗い空になった。


カメラマンたちが写真を撮るのは止めた、コスプレイヤーたちを含む全員は空を見上げた。眩しい5つの光の柱がビームのようにコスプレイヤーたちが密集している区画へ降りてきた、そしてすぐに消えた。


上記の5人をさらって。



どこか不明な場所。

広く、白い空間


「選ばれた者たちよ。私の世界を救ってほしい。」


目をつぶっていた5人の頭に女性の声が響いた。


5人はゆっくりと目を開けて、周りを見た、そして自分たちを確かめるように見て、触った。先ほど扮していたコスプレ衣装は衣装ではなくなった。


「嘘、銃は本物?ええ?」


「なんだこりゃああ!!」


「え?ぼくの下半身が。。。」


「耳、尻尾??ええ?」


「角が生えた?ええ?」


空間の中央に白いシルエットが現れた。2本の大きな角の生えた女性のシルエットだった。


「選ばれたものたち、こちらへ。」


威厳とどこか悲しみがにじみ出ている女性の声がまた頭の中に響いた。

5人は白いシルエットのいる中央へ向かった。


次回:異世界へようこそ

日本語未修正


















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