第2話 多分異常者
空には朝日がのぼり、朝露が葉を滴った。
天気は満点の晴日和だ。
鳥のさえずりにカクシは起こされた。
ウーンと背伸びをし、
数秒間ぼぉーとした後、
「あ~~~~、もう朝か、、、だるっ」
と言ってベッドからおりた。
ドガッ!
バンッ!!
ゴツッ、、、
カクシは寝ぼけているせいか、辺りに
体をぶつけまくった。
「ん?なんか騒がしいわね、、、」
既に下の階にいたアイミィは
何事かと思い、天井を見上げた。
カクシは倒れており、
「イタッ」と一言。
そして起き上がると階段を降りていった。
食器を洗っていたアイミィが
カクシを見ると、
「朝っぱらから騒がしいわね~
ネズミと猫が追いかけっこしてると
思ったわ!
もしかして、、、寝相悪すぎてベッドから
落ちちゃった?」
「、、、」
とカクシは目をつぶったまま突っ立っていた。
「あら、、、聞こえてない
寝ぼけちゃってるわね」
カクシは寝ぼけながらも
カウンターへと座った。
が、頬杖をついてまた眠りについた。
「なんでここでも寝るかな~
お~い、起きろ~~~」
と言いながらカクシの頭にチョップを食らわした。
それでも起きないカクシ。
「これでも起きないか~、、、
こうなったら、、、」
とアイミィが出したのは、、、!?
「はい!!朝ごはん!!
起きな!!」
アイミィはカクシの目の前に、
焼いたパンにベーコンと目玉焼き。
The 朝食といったやつを置いた。
朝食の香ばしい匂いでカクシは
目を覚ました。
「おぉう、、、ありが、、と、、う」
と言ってカクシはパンを鷲掴みして、
食べ始めた。
「、、、猿じゃん」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、何も言ってないわよ」
「あぁ、、、そうか?」
「あ、昨日のこと”マスター”にも話したわ」
アイミィは昨日のことを”マスター”という者に話したらしい。
「お、マスターにか?マスターはなんて?」
カクシは朝食を食べ終え、目はもう覚めていた。
「驚いた顔なのか、、、興味無い顔なのか、、
なんとも言えない顔して研究室に戻って行ったわ」
「あ~、なるほどなぁ
返答はなしっちゅう事ね~
うん、まぁ、、、いつものあいつだな~
てか、研究室から出てきたんだな」
「独房から出てきたんだな。
みたいに言わないでよ~
なんか私の顔を見たいからって」
「どゆことだよ」
「ほんとどうゆうことって感じよね~
しかも例の情報の紙まっし、、、」
とその時、
バゴーーーーン!!
カウンターの横の扉から
ものすごい爆発音がした。
「うわ!なんの音!?爆発?!」
とアイミィはびっくりして声を荒らげた。
すると、扉から白煙がモクモクと。
「えぇ!?!煙ぃ!?火事ぃ!?」
とアイミィはさらにびっくり。
ギィィ、、、、
すると、その扉がゆっくりと開いた。
扉からドスっドスっと鈍く、大きな足音が
聞こえてきた。
足音と同時に白煙の中に大きな人影が
現れた。
「ゲホッゲホッ!!ゴホッゴホッ!!
あぁ~、呼んだ~??さっきから咳とくしゃみが止まらないんだけど~
もしかして~大尉の言霊~??」
「別に言霊でもなんでもねぇよ~
俺にはそんな能力ございませーん
絶対さっきの爆発のせいだろうよ」
「絶対そうよ
この引きこもり」
と追い打ちをかけるアイミィ。
「うぅ、、、ひどい」
と、マスターはうなだれた。
「あーあー、アイミィが責めるから~」
「なんであたしよ!」
「いや~~引きこもりは言い過ぎだろ~」
「だってぇ、、、
言いすぎたわ」
と少し反省。
「だろ~??マスターに謝れ~
あ、ところでマスター、
昨日、例の情報のことアイミィから
聞いたんだよな?どう思った??」
カクシはマスターに昨日のことを聞いてみた。
「あ~、昨日の紙のことね~、、、
う~んと、、、そうだな~。
僕たちは手を出しちゃまずいのに
出してしまった、、、
って思ったかな~」
「あ、やっぱりか」
「やっぱりだったわね」
2人はそうだろうなと思い、
深くうなづいた。
すると、マスターがカクシに、
「まぁ、多分あっちはまだ大尉のことに
気づいて居ないだろうから大丈夫だとは思うけど、、、
無理に問題事にしないようにだね」
と言った。
「あぁ、それは一応心がけしてるよ
バレてしまったら元も子もないからな」
とスパイの仕事に強い志を持つカクシ。
「あ、それとこの紙、、、
見る感じ普通の紙じゃないみたいだね」
とマスターは2人に紙のことについて
不思議だと言った。
「そういや、、、真っ白だ」
とカクシも紙を見るやいなやそう呟いた。
「やっぱり?さっきも言いかけたけど
何も書かれてなくて真っ白なのよねこの紙」
もアイミィも続けざまに言った。
マスターは紙をじっと眺めては、
「もしかしてだけど、、、ガヴァメントは
この紙に小細工を仕掛けたのかもしれないね」
と言った。
「まじか、、、昨日までは文字が書いてあったんだけどな、、、
アイミィも見ただろ?」
「えぇ、、、でも朝には真っ白だったわ」
2人はこの紙に何が起きてるのかさっぱり理解不能であった。
「まぁ、のちのち何か起きそうだから
厳重に保管しとく方がいいかもね。
じゃ、僕は研究室に戻りやす。では。」
とマスターは背を向け研究室に戻っていこうとした。
が、カクシが
「ちょっ、待てよ」
とマスターを引き止めた。
「何木村拓哉みたいに言ってんのよ~」
とアイミィはカクシにつっこんだ。
「この後、ここら辺付近の情報を探ろうと思うんだがマスターも着いてこないか?」
とマスターを誘ってみるが、
「う~ん、僕はこの後研究があるから
無理だな~」
と食い気味に断った。
「ということは1人か~、、、
アイミィは??一緒に来るか?」
とアイミィも誘ってみたが、、、
「私はBARの仕事があるから無理だわ」
とこちらも食い気味に断った。
「と言うことは俺一人だな、、、
まじかよ~、、、トホホ
それは1番だるいやつだって~」
と残念がるカクシであった。
「はい!だるいだるい言ってないで
さっさと行きな!」
とアイミィはカクシの背中を強く押し、
外へと追い出した。
カクシは外へと思いっきりダイブし、
地面に叩き付けられた。
そして、バンッ!と強く扉がしまった。
「いってぇ~!たくっ、あの怪力女め~
なんも追い出すことはないだろ~よ~」
とスリスリとお尻をさすった。
「あ、財布、、、」
と財布がないことに気づいたカクシ。
すると、ちょこっと空いた扉の隙間から、、、
ポイッ。
「、、、
俺の扱い雑過ぎないか」
と悲しくなるカクシであった。
カクシは情報集めのために辺りを探索し始めた。
(う~ん、、、まぁ今までも1人で行動はしてたけど、、、
せっかく帰ってきたんだから一緒にいいだろうがよ~~)
そう。カクシは寂しがり屋である。
「あ、そういや、、、」
カクシはふと立ち止まった。
自分が今着ている服をまじまじと見た。
「、、、寝巻きだ」
カクシは追い出されたせいか
寝巻きのままで外に出ていた。
「ま、いっか」
とカクシはそういうと再び歩き出した。
何分か歩いた頃、カクシの耳に大きな声が
つんざいた。
「皆さん!おはようございます!!
こちらはガヴァメントですっ!!
皆さんの気になってることや不安のお声を聞いて私たちは!!
皆さんに何かできないかと!!
ガヴァメントや政治家、政府の皆と沢山の案を出しております!
地域の活性化、税金対策やより良い日本の経済循環などなど!
皆さんの不安を消せるように努力しますので!
どうか!どうか!ガヴァメントに期待を
よろしくお願いします!」
ワゴン車の上でメガフォン片手に演説をする
ガヴァメントの一員。
それを流し目で見るカクシ。
「朝っぱらから元気だな~。
本当はろくなことやってないのによ~
見とけよ~、俺が全部吐き出させてやる
この正義の皮を被ったネズミが
、、、正義の皮を被った、、、ネズミ?
なんか違うな
ま、いっか」
カクシは通りすがりにボソッと呟いた。
いや、ボソッとの量では、、、ない。
セミの鳴き声、アスファルトからの熱気。
外はサンサンと日が照っており、
気温は40度を超えている真夏日和である。
小型扇風機を持っているものもいれば、
我慢して暑さに耐えているものもいる。
カクシはある程度情報を探っていると、
もう時刻はお昼頃へとさしかかっていた。
「あ、もう昼じゃーん
あそこのファミレスでも行くか」
と独り言を呟きながら最寄りのファミレスへと足を運んだ。
カランコロ~ン。
ファミレスは外気温とは違い、とても冷えていた。まさに天国である。
「何名さまでしょうか~?」
と女性の店員がカクシへと話しかけた。
「あ、1名でーす」
と言うと、窓際の席へと案内された。
(え、嘘だろ、窓際、、、
絶対暑いやつじゃ~ん)
と心の中で愚痴をこぼす。
実際に口には出さないのである。
席に座ると、テーブルの上を見渡した。
そして、メニュー表を見つけ手をかけた。
(ふむふむ、美味そうなやつばっかりだな~
めちゃくちゃ腹減ったしな~、どれにしよ)
考えること30分。
(よし!これだ!)
と決まったのかボタンを押し、店員さんを
呼んだ。
「お決まりになりましたか?」
「このいちごバフェで!!」
「かしこまりました。いちごパフェですね
ランチメニューやセットメニューは、、、」
「いちごパフェだけで!」
「、、、お一つだけで?」
「はい!あ、生クリーム大盛りいけます?」
「あ、無理ですね」
「むりか~、、、分かりました」
カクシは残念な様子だ。
「では少々お待ちください」
と店員は厨房へと戻って行った。
あんなに腹減った~とほざきながら、、、
いちごパフェ1つである。
しかも30分も長考した結果。
いちごパフェ、、、1つである。
そして、生クリーム大盛りという
謎のパワーワードまでかます始末。
頼んだのは、、、いちごパフェ1つである。
(こんな暑い日に熱いもの食べれるかっ
つーのー)
と心の中で愚痴をこぼすカクシ。
この数分間でカクシの印象はだいぶ
ダダ下がりであろう。
何分かしてパフェが届き、カクシはもくもくと食べ始めた。
(うん、やっぱり生クリームは最高だな~)
そして1時間、、、
「はぁ~、食った食った!!
さすが生クリーム!!生クリームは世界を救うな~!さ、帰ろ」
カクシはパフェを食べ終え席を立とうとした。すると、
「キャーーーーーーーーー!!!!!」
と店内に女性の悲鳴が響き渡った。
「おお、なんだ、、、?」
カクシはその悲鳴を聞いて少し驚き、
辺りを見渡した。
すると、さっきの店員が灰色のニット帽に
サングラスとマスクをしている強盗特有のテンプレ衣装の男にナイフを突きつけられていた。
「おい!動くんじゃねぇ!
金だ!金を用意しろ!、、、早くしろ!!
店のやつ以外動くんじゃねぇぞ!」
男は店員を人質にし、ナイフを振り回した。
(おぉ、強盗か、、、
生で見るのは初めてだなぁ~
、、、1人みたいだな)
カクシはこの状況にちょっとだけビビった。
大事なことなので2回言おう。
ちょっとだけビビった。
ちょっとだけ。
お客さんは怖がって悲鳴を上げたり、
しまいには腰が抜け、その場に座り込んでしまうものもいた。
が、1人を除いては、、、
「あの~、、、もしかして強盗っすか?」
なんということでしょう。
カクシは強盗犯に声をかけたのです。
その謎の光景に店のものたちは驚きを隠せなく、ポカンと口をあけ、カクシを見つめた。
「あぁっ?!なんだお前!!?
話しかけてくんなよ!!
俺の言ってることが聞こえねぇのかよ!!
動くなって言ってんだよ!
ぶっ刺すぞこれで!」
男はかなり興奮しているせいか、
カクシの言動にさらに激怒した。
「大丈夫大丈夫。
ちゃんと聞こえてますから~
でも、そんなか弱い女性を人質にしてなんのメリットがあるんですか~?」
と、カクシはさらに男を煽った。
煽るだけでなく、徐々に男に近寄っていくではないか。
驚きのあまり、周りの人達は強盗犯よりも、
カクシの方に注目している。
強盗犯よりも目立っているのはカクシの方だ。
「おい!てめぇ!
動くなって言ってんだろ!!
調子乗ってんじゃねぇぞ!!
あと、なにちまちま近づいてきてんだよ!
まじでぶっ殺すぞてめぇ!」
男はさらにカクシに怒鳴るが、
何も効かないカクシ。
しかも、何も躊躇もなくどんどん近づいて行くではないか。
そして、とうとうカクシは男の目先まで来ていた。
カクシは男の目をまじまじと見つめた。
その眼光は鋭く、そして図太く、芯の通った眼差しをしていた。
「刺せるんなら刺してみな?
っていうか交渉があるんだけど、、、」
「あ?交渉だぁ~?」
と男はその言葉に疑問を抱いた。
「その子じゃなくて俺を人質にしなよ」
「、、、は??」
周りの人達と強盗犯が一斉に放った一言だった。
カクシの言葉に皆、正気なのかこいつは?
みたいな顔をした。
いや、正気では無いのであろう。
「え?俺なんかおかしなこと言った?」
「え、、お、、お前何言ってんの?
まじで頭イカれてんのか?」
男はカクシの言葉にすごく動揺した。
それと同時に彼の中で、こいつはヤバいやつというレッテルを貼られたに違いない。
「まぁ、この状況を見て、、、
あなたも同等だと思いますが?」
カクシはさらに男を煽る。
「はぁ!?お前と一緒にすんじゃねえ!
ぶち殺すぞ!」
と、男はさらに逆上した。
「はぁ~、、、もううるさいな~
自分より弱い相手にしか手を出さいのか?
もしかして学生時代いじめっ子だった?
それとも女性にしか手を出さないDV男だったりして?」
とカクシの怒涛の煽りオンパレードが炸裂している。
「くそが!うるせえのはそっちだろ!
そんなに言うんならお前にしてやるよ!」
男は人質にしていた女性をカクシの方に
投げ捨てた。
「あぁ、怖い怖い。
自分弱いですから安心してください。
ほら?見た目もチビでしょ?
体も細いでしょ?力無さそうでしょ?」
そういうとカクシは男から背後を取られる姿勢になり首元にナイフを突きつけられた。
「下手な真似してみろ。
すぐにぶっ刺してやるからな」
男はカクシに忠告した。
レストラン立てこもり騒動から
数十分が経過した。
(この男何を考えてるんだ、、、
強盗なんて馬鹿みたいなことしてよ~)
カクシは心の中でそう呟いた。
(こいつ何考えてやがる、、、
自分から人質なんて頭沸いてんじゃねぇのか)
男は心の中でそう呟いた。
「お前まじでアホだな、、、
自分から人質になるなんて言い出すやつが
どこにいんだよ!!病気だ!病気!頭イカれてんじゃねえのか!」
男はカクシの背後で怒鳴り散らかした。
「病気、まぁ、あながち間違ってはないね
てか、警察が来てるみたいですね」
「あぁ?警察だ!嘘言ってんじゃねぇよ!
何も聞こえねぇじゃねかよ!」
「いや、もう少しで聞こえますよ
俺、耳はいいから」
「自慢してんじゃねえ!殺すぞ!」
すると、遠くの方からサイレンが聞こえてきた。
「ほら?嘘じゃないでしょ?」
カクシの言った通り、遠くからサイレンが
聞こえてきた。
そして、扉の入口まで来たのか警察が大きな声で呼びかけてきた。
「おい!立てこもり犯!
下手な真似はやめて出てくるんだ!!」
「くそ!まじで来てんじゃねぇか!
誰だ呼んだやつ!出てこい!
ぶち殺してやる!!」
男は警察の声を聞くや否やとても興奮し、
あたふたの慌てている。
あたふたの慌てている犯人。
この状況に怯える周りの人達。
人質としてじっとしているカクシ。
訳の分からないカオスな光景が広がっている。
(俺の予想だと、、、警察はまだ突撃はしてこないだろう
あと数時間はこの状況が続いてしまう
ということは、、、)
カクシは頭の中で色々な考えを駆け巡らせた。
「くそっ!やべぇじゃねえか、、、」
と男は酷く動揺し、腕の力が一瞬弱まった。
カクシはその一瞬の隙を見逃さなかった。
ドスっ!!!!
「いってぇーー!!!!!!」
男は急に悲鳴上げた。
カクシを掴んでいた腕は今度こそ弱まり、
解放された。
そして、続けざまに男の手に持っているナイフを蹴り飛ばした。
「おい!、、、痛えじゃねえか!!
何もしないって言っただろうか!!」
何が起きたのかというと、
あの一瞬の隙をみて、カクシは男の足の甲を
思いっきりかかとで踏みつけたのだ。
「素直に聞いてたなんて、、、面白いな~」
と煽りを忘れないカクシ。
「このアマが、、、」
と男は思いっきり拳を振りかざし、カクシ目掛けて殴りかかってきた。
カクシは男の拳を受け流し、みぞおちに膝蹴りを食らわした。
「ぐはっ!」
膝蹴りをモロに食らった男は、足元がふらついてしまった。
その瞬間にカクシは男の腕を掴み、
足を掛け、思いっきりぶっ倒した。
「がはっ!!」
男は床にものすごい勢いで叩きつけられた。
「そんなもんかい?」
とカクシは再び距離を取った。
男は力を振り絞って、立ち上がると
息を切らしながら再びカクシに殴りかかってきた。
「うらぁー!!」
男は雄叫びをあげ、渾身の右ストレートを
繰り出した。
が、それもまた受け流され、
再び地面に思いっきり叩きつけられた。
「もうめんどくさいし、これで終わりね」
とカクシはそういうと男の顔を思いっきり
蹴り飛ばした。
ボコンっ!!
鈍い音とともに男は気絶し、倒れ込んだ。
カクシは深い息を吐くと床に座り込んだ。
「、、、ふぅ~、皆さん!これで安心です!
すぐに外に出てください!」
カクシのその言葉に店のもの達は外へと出ていった。
出ていく途中に倒れている男を皆、踏んずけていった。
店の中には倒れている男と、座り込んでいるカクシだけになった。
「はぁ~~~!やっと解放された~!
も~~~う、疲れた!!!帰ろ」
カクシは戦闘で疲れた体を起き上がらせた。
そして、レストランからやっと外へと出れた。かれこれ3時間くらいレストランの中にいたのだ。
レストランを出ると、たくさんの警察に囲まれていた。
「お、警察さんじゃないですか~!
もう!来るの遅いっすよ~
大丈夫です!男に蹴り、一発かましてやりましたから!あそこで伸びてますよ!」
とガッツポーズをとり、倒れている男を指さした。
その伸ばしている腕を警察が掴んできた。
ガチャ。
「へ?」
「過剰防衛ですね。
現行犯逮捕致します。署まで」
「、、、嘘だろ~~~~!?!?」
カクシは警察署まで連行された。
時刻は夕方となり、カラスが群れをなして鳴いていた。
空はもう鮮やかなオレンジ色に染まっている。
カクシは警察との話を終え、やっと署から出れた。
外に出ると、入口でアイミィが待っていてくれた。
「もう!なにやってんのよ!
暴力ふるったらそうなるに決まってんでしょ!てか、あんたは目立っちゃいけないんだからね!」
と、会うやいなや怒鳴りつけられてしまった。
「仕方ないじゃ~ん、ならあのまま見過ごせってのか、、、
何もしてなかったら下手したら誰か死んでたんだぞ~」
カクシは怒鳴られたことに納得いかず、言い返した。
「あ~あ、これだから日本の警察は嫌いなんだよな~、日本のお荷物がよ~~
ちっとは俺の事褒めてくれたっていいのによ~」
「はいはい、そうやってすぐ警察をバカにしないの~
ちゃんと彼らも仕事を全うしてるんだから
それとも何?また捕まりたいわけ?」
と、アイミィの辛口は止まらなかった。
「、、、ところであれは使ってないんでしょうね?」
「ん?あれ?あぁ、あれのことか
使ってないよ、むしろ使えなかった」
「そう、、、それならいいんだけど
あまり人前では使わないようにしててよね
公では許されても、一応腫れ物扱いされてるんだから」
「あぁ、わかってるよ。
使う時はちゃんと気をつける」
2人はそんな話をしながら、
夕暮れの河川敷を歩いてBARへと帰っていった。
ベストバディーズ・ グレイトチームズ @syuruto
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