3年目の春に

たくろー

第1話 一目惚れ(高校1年・春)

桜井 陸は校門をくぐり、桜の花びらが舞う中、入学式へと歩いていた。緊張していたせいか、周囲があまり目に入らなかったが、ふと前方に明るく笑う一人の少女が目に留まった。それが藤田 美咲だった。


陸「(なんでだろう…今、何か心臓がドキッとした気がする…。あの子、すごく笑顔が眩しい…)」


美咲は友達と楽しそうに話している。遠くから見ているだけで、陸の胸は高鳴り始めた。自分とは違う世界の人のように見えて、声をかける勇気など出るはずもなかった。


陸の友人・翔太「おい、陸。何ぼーっとしてんだよ。早く席つこうぜ!」


陸「あ、うん…ごめん、ちょっと考えごとしてた。」


翔太の声で我に返り、急いで席に向かったが、心の中には美咲の笑顔が焼き付いていた。

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