『焼けた別荘』
今はそうでもないんだけど、昔は親が結構金持ちだったみたいで、子供の頃は定期的に別荘に連れて貰った記憶がある。
山奥のところにあって、別荘のそばには池があった。
親と一緒に虫取りや釣りをしていたと思う。
色々取っては乱雑に虫籠に入れては虫を死なせてしまったり、バケツに小魚や蛙とか…獲れたものは何でも入れて、それで池のほとりに置き忘れてそのまま干乾びさせたり。子供って残酷だよねって事をよくしていた。
そんなことを繰り返してる内に、虫籠もバケツも手持ちがなくなってきてさ。
しょうがないから、バケツを取りに行ったんだよ。
腐った肉が詰まったバケツをひっくり返したら、中から何かが飛び出してきたんだ。
んな訳ないのに、驚いて。
汚い、怖いより先に、動かないようにしないとつじつまが合わないって、そんな衝動に駆られてさ。包丁とか、火とか色々使ったよ。
だからあの別荘が焼けたのは、自分のせいじゃないよな?
佐藤実/いい/八重垣/花豆
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