『湖畔の鬼』
知人が湖を見に行って変な物を見た、という話を聞いてね、え~っと、S県に有名な湖があるそうでそこでの出来事なんですが。
朝早くから出発して霧が立ち込める湖を撮ろう!ってカメラ片手に出掛けたそうです。
薄霧を予想していたら予想以上に視界が悪くて、数メートル先も見えなくって撮影どころじゃなくて。
天気回復を待ってたら湖の方から人影が近付いてきたらしいですよ。
でもそこ道はないし、やけに影が大きい。
ざぶん、ざぶん。
水を掻いてこちらに向かってくる影は、どんどん大きくなっていく。
生臭い臭いが鼻につく。
見上げるほどに大きなそれの頭の部分には、鋭く尖った二本の角のようなものが見てとれた。
「それがなぁ、この湖に伝わる鬼の話なんよ」
切り株に腰かける翁は、ため息交じりに話を終えた。
「それで、その鬼を見た人はどうなったんですが?」
僕の問いに「さあの」翁の顔には大きな傷と、手には鉈がある。
いい/暗裏/八重垣/芝生
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます