第2話 徐々に惹かれる二人

プロジェクトが進むにつれて、美咲と翔は頻繁に打ち合わせを重ねるようになった。仕事が終わるころ、二人は偶然同じ居酒屋に立ち寄ることになる。


「ここ、よく来るんですか?」と、美咲がビールを手に問いかけた。


「まぁ、たまに。静かで、考えごとをするにはちょうどいいんだ」と、翔が答えた。


「意外ですね、佐藤さんっていつもクールだから、あまりこういう場所に来るイメージがなかったです。」


「そうかもしれない。でも、君も意外だよ。仕事に集中してるから、飲みに来るタイプには見えなかった。」


美咲は笑みを浮かべて、「息抜きは必要ですよ、特にあんな大変なプロジェクトを抱えてたら」と冗談交じりに言った。


二人はその夜、仕事以外の話をすることで互いに親しみを感じ始めた。趣味や好きな映画、音楽の話題が次々と飛び出し、翔も少しずつ自分をさらけ出していく。


「美咲、君って意外と柔らかい一面があるんだな」と翔がぽつりと言った。


「佐藤さんだって、優しいじゃないですか。もっとそういう面を見せればいいのに。」


「それは、どうかな」と翔は照れくさそうに微笑んだ。

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