【Ex. 004】VS NIGHT
【登場キャラクター:男4.
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月夜に照らされる東京のビル街を様相の異なる三つの人影とそれを追う人ならざる四つの影が駆け抜ける。
「くっ!?まだ追って来るぞ」
「アンタたちしつこい男は嫌われるわよ!性別あるのか判んないけど」
「この先に人気の無い廃工場があったはずだ。そこで迎え討とう」
「あたしもそれ賛成。キリないもの!」
「分かりました!ブレードさん先導お願いします!」
先頭を走るのは現代には似つかわしくない騎士鎧に無骨な諸刃の剣を手にした異世界騎士、ブレード・グランドゥール
その後を追随しているのは良く手入れされた黒髪と赤いコートをたなびかせた吸血鬼、雨崎 信
最後尾で走るのは両手足に魔法の燐光を纏ったスポーツ刈りの魔法少年、三沢 晴太
三人はビルの壁面を飛び移りながら移動し、それを追う影もまたビルの壁面を飛び移りながら追ってくる。何処かのアメリカ在住宇宙人が見たら「現代のジャパンにもニンジャがいました!!」と大興奮していそうな光景だが、残念ながらここにはおらず。
廃工場へ三人が飛び込むと少し遅れて影も中へ入る。
しかし三人がそれぞれ自分たちへ対峙しているのを認識すると影もまた三人との距離を測るように対峙する。
「…今更確認なんだけどアンタら言葉通じるのか?」
「……晴太君。本当に今更じゃないかしらねソレ?」
「まぁ…問答無用で追いかけられて確認はしていないのは確かだ」
「いやそうなんだけど……真面目ね。二人とも」
『………』
ただ黙ったままこちらに距離を詰めてくるそれらは月光によってその姿を照らし出されていた。
一つは肉食動物のような爪と牙を備えた黄色と黒の異形
一つは大きな腹に隈取のような模様を持つ毛むくじゃらの異形
一つは赤い顔と妙にヒョロ長い手足を持つ異形
一つは鱗のような体表に長い尻尾を持つ異形
どれもが人型でありながら人ならざる怪物であった。
「ブレード君、あーゆーの故郷にいた?」
「いや…俺の知る限りでは…」
「………」
三沢は無言で拳を構える。
息を合わせるように四体の怪物が同時に飛びかかってくる。
一体目の怪物には騎士の剣による回転三連撃が
二体目の怪物には吸血鬼の爪が起こしたソニックブームが
三体目と四体目の怪物には魔法少年の拳打の雨が
それぞれ一瞬で叩き込まれていた。
案外あっけない…雨崎がそう口にしようとしただった。
それぞれの怪物の体が爆発炎上した。
「うっわ、びっくりしたぁ!?何事よ?!」
「爆発した?!なにかの魔法か?!それとも火薬か?!」
突然のことに驚く二人を他所に三沢はため息を吐きながらこうぼやいた。
「………やっぱりか…」
「む…やっぱり…とは?三沢君。なにか知っているのか?」
「いや…知っているというか…人が中に入れそうな見た目といい、さっきの爆発といい。完全にニチアサの特撮のやつなんですよこいつら」
「あー、あったわねー。昔テレビでやってたのを見てたわ。今のやつあんな感じなの?」
「ふむ。ニチアサノトクサツというのはよく分からんが、何故こいつらは俺たちを襲ってきたんだ?」
「いやそれは俺にもさっぱり」
「フフ…何故か知りたいかい?」
突如廃工場に響き渡る声に三人が同時に臨戦態勢を取る。
「こっちだよ。こっち」
廃工場の奥、上の階へと繋がる階段の中ほどに声の主はいた。
緑がかった長髪に三沢以上の体躯をしつつもそれを感じさせない佇まい、そして暗闇の中で光る金色の瞳をした男だった。
「
「失礼な。ちゃんと人間だよ。……多分。なんか最近自信無くなってきたけど」
「そーか。じゃー人間かっこ仮。あんた何者だ?こいつらはなんだ?」
「ひどい言われようだ。まぁ自己紹介からか。ボクは
「ストップストップ。ちょっと情報量が多すぎるし、ちなみに、の後からが早口すぎて聞き取れないんだけど?」
「いや…というか、アンタが作った?この怪物を?」
「ウン。すごいだろう!ちゃんとやられたら爆発するようにするの大変だったんだよ?」
めちゃくちゃ嬉しそうなドヤ顔だった。さっきまでの怪物じみた怪しい雰囲気が嘘のようにキラキラした少年の瞳をしていた。言ってることはだいぶヤバいけど。
「……何にせよ、この世界であのような魔物じみた玩具を作り、あろうことか街に解き放つような傍迷惑な輩を捨ておけはせんな」
「傍迷惑だなんて心外だなぁ。ただ面白そうな子たちがいたから様子見がてら追いかけさせてみただけなのに」
「傍迷惑極まりないわねコイツ」
「ふんじばって警察に突き出そう。罪状は……どうしようか?」
三人が各々構えてにじり寄って来るのを気にも留めず繰流衛門は悠々と階段を降り切ってこちらへ歩いてくる。
「アァ、そうだ。ついでと言ってはなんだけど、コレの試運転にも付き合ってもらおう」
繰流衛門が着物の袖に手を入れ、何かを取り出す。ブレードと雨崎は首を傾げているが三沢には見覚えのあるものだった。
それは、変身ベルトと花とベイブ⚫︎ードとだった。
「いやごめん。意味わからんよ?!」
「ん?何故?君は知ってるだろ?ベルトと花とベ⚫︎ブレード」
「それぞれ単品はわかる。けど三つ同時に出てくる意味が全くわからん?!何がどういうこと?!」
「これは…あれだよ…ベルトはボクの趣味だろ?花はマジカルノノンと取引したやつだろ?ベイブレー⚫︎はこないだ秋水君に直してもらったやつだよ?」
「だよ?って言われても知らないけど?!……なんか聞いたことあるような無いような人達の名前だな?」
「まぁ
そういいつつ繰流衛門はベルトを腹にセットした。
「まずは変身ベルト『コントンドライバー』を装着!」
「次にドライバー中央に⚫︎イブレードを装填!」
「さらに花をなんか謎の光でドライバーに追加装備出来る強化アイテム『ノノンバックル』に変える!」
あー、新フォーム初登場シーンでよくあるやつだー
「そして『コントンドライバー』に『ノノンバックル』をセット!」
「最後に!この辺のボタン押して!『HEN-SHIN』!」
『ライト イントゥ ザ ダークネス!フルアーマードケイオス!』
謎の英語と共に夜鳥繰流衛門の体が奇妙な全身鎧に包まれていた。
いやほんとに俺は似たようなのにも見覚えしかないんだが
「というわけでこれがボクの新しい玩具だ!かっこいいだろう!」
「あのーすいません。ブレードさんと雨崎さん 宇宙猫になってます」
「………………………………………まあいいだろう。とりあえずここからはバトルパートだ。存分に抵抗してくれ」
繰流衛門が構えたことでブレードも気を取り直して構えた。雨崎はため息ついて「ナニコレ」とぼやいていた。気持ちはわかる。
ここに異世界騎士・吸血鬼・魔法少年vsよく分からん奴の戦いが始まった!
続く
「いや続きなんかねーから」「オヤ、ほんとに?」
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【本文の文字数:2,165字】
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