意地
夕方、仕事帰りに近くの公園に寄ってみると小学生が元気にドッチボールをしていた。
おそらく放課後なのであろう。あたりにはランドセルや上履き袋が投げ捨てられており、いかに彼らがこの試合に夢中になっているかが伺える。
私はこの熱き戦いを邪魔しないように、端っこのベンチに行こうとしたその時
「おじさんもやろうよ!!」
とリーダーっぽい生気に満ちた少年に声をかけられてしまった。
おじさんとはなんだ、おじさんとは。私はまだ30手前だし、禿げてもいないはず……いや、傍から見たら私はもうおじさんなのか? ぐぬぬ。
仕方ない。
私はネクタイと第一ボタンを外して、どうしてやろうかと軽やかな足並みで薄くなった手書きのコート内に入った。
翌日、私は極度の筋肉痛を抱えて出勤した。
でも、なぜか心は爽やかだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます