夢の中に堕ちていく、狭間で揺れる
空っぽの無能
狭間で
睡眠薬を飲んでから身体が重たい。眠気に任せて眠れど奇妙な不安で目が覚める。
夢の中に堕ちていく、狭間で揺れるのは私か誰かか。
起きた時に布団の中で寝転がっていた気もするし、反りの合わない父親に大変な折檻を受けていた気もするし、いや、父はそういうことはしない人だった。
ならばこれはこれが夢か。
テーマパークで楽しんでいた気もするし、職場の人にもっと働けと𠮟られていた気もする。
そもそも自分はテーマパークに行かないし、職場の人もそんなことは言わない。だからこれは全て夢だ。
死にたいと思って橋の上から川に飛び込んだ気もするし、手首をカッターナイフで切り落とそうとしていた気もする。
そもそも川まで行く気力は無いからこれは夢であり、手首はカッターナイフで切り落とすのが難しいからこれは自分の願望だ。
夢の中に堕ちていく、狭間で揺れる
夢の中に堕ちていく、狭間で揺れる
ああ、気分が悪い
現実と夢が綯い交ぜになって、心と身体は憂鬱になって、重荷を背負う
どうせなら夢の中に深く深く堕ちてしまえばいいものを
ありとあらゆる自身の願望が狂った形で叶うあの世界に憧れ焦がれるものの、今堕ちるわけにはいかない行きたくない怖いと拒絶している
夢の中に堕ちていく、堕ちきれないでいる、狭間で揺れる
夢の中に堕ちて、狭間で
早く夢も見ずに寝たいんだよ自分は
夢の中に堕ちていく、狭間で揺れる 空っぽの無能 @honedachi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます