「異世界リセット ~運命を巻き戻す僕の最強能力~」
MKT
プロローグ
「また…ダメだったか…」
薄暗い部屋で、僕は頭を抱えて座り込んでいた。コンピューターの画面に映し出されたのは、無数の「失敗」という文字。
僕の名前は佐藤廉(れん)。20歳、どこにでもいる普通の大学生――だったはずだ。けれど、僕にはひとつ、誰にも言えない秘密がある。それは、僕が何度も「死んだ」ことだ。
3年前、大学に入学したばかりの僕は、ある事故で命を落とした…はずだった。しかし、次に目を開けた時、なぜか僕は無事で、その日から人生をやり直していた。
「リセット」という能力を得たのだ。僕は、特定の瞬間に戻ることができる。そう、ゲームで言う「セーブポイント」のようなものだ。
何度も繰り返せる。失敗しても、死んでも、すぐに巻き戻せる。それならば、人生は思い通りにできるはずだ。
でも、現実は甘くなかった。
何度リセットしても、僕は失敗し続けていた。理想の未来を手に入れることはできなかったのだ。
「この能力に意味なんてあるのか?」
無力感に押しつぶされそうになる僕に、突然画面が光り、奇妙な文字が浮かび上がった。
**「次のリセットで異世界へようこそ」**
「異世界…?」
次の瞬間、僕の視界が暗転した。
目を覚ました時、僕は見知らぬ大地に立っていた。目の前に広がるのは、ファンタジーのような景色。そして、手には一冊の古びた書物が握られていた。
「これは…?」
本を開くと、そこには驚くべきことが書かれていた。
**「運命の書:持ち主の未来を記し、操作する力を持つ」**
そして僕は悟った。この世界では「リセット」ではなく、**「運命を巻き戻す」**という、新たな力を手に入れたのだ。
これは、ただのやり直しではない。未来そのものを変えることができる――そう、僕の手で世界を作り直すのだ。
だが、気を付けなければならない。運命を弄る代償が何なのか、まだ誰も知らないのだから。
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