ネコと満月
交換日記
ネコと満月
ある、満月の夜のことです。
ネコが大勢集まって、じっと月を見ていました。
月は、見られるのが大好きです。
嬉しくなった月は、まるで夜空を昼に変えてしまうように明るく輝きました。
ネコは、それをじっと見ています。
月は、充分に輝いたので、気分が良くなり、さぁそろそろ降りようか、と思いました。
そして、下を見てみると、やはりネコがじっとこちらを見ています。
困ったなぁ。月は考えました。
こんなに見られていると、降りるに降りれないぞ。
ネコは、やっぱりじっと見ています。
月は、もう少しだけ力を振り絞って輝いていたのですが、変わらず、ネコはじっとこちらを見ています。
そうこうしているうちに、山の向こうから太陽が、呼びかけてきました。
「おおい。もうすぐ夜明けだぞ。早く降りてしまえよ。」
月は驚いて降りようと考えたのですが、
やっぱり、ネコはじっと月を見ています。
あぁ、どうしよう。
月は困ってしまいました。
困っているうちに、どんどん太陽が山の向こうから登ってきます。
「おおい。まだ、そんなところにいるのか。一体何をしているんだ。」
月はすっかり、慌ててしまいましたが、
ネコは、それをじっと見ています。
そうこうしているうちに、空は明るくなってしまいました。
月は、あ、あ、あ、と思う間に、
降りられないまま、消えてしまいました。
朝が来たのです。
ネコは、やっぱり、それを、じっと、眺めていたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます