美の標本への応援コメント
discordから来ました。向こうだとたくさんの方に見られるのが少し怖いので、こちらで失礼します。
【4】あたりから面白さがどんどん加速しだして、どうなるんだろう、と思ったら最後はきれいに着地して、楽しく読めました。読後感もよかったです。
美醜の話や男の自問自答が個人的に好きでした。内面の描写が丁寧だなと思いました。
美の話は現代社会にも通じる普遍性があり、どことなくカント哲学っぽさも感じました。
作者からの返信
この作品を読んで頂きありがとうございます。
美醜や男の心情というのは、それなりにこだわった部分でしたので、気に入って頂けて嬉しい限りです。この物語は周りに強く当たる男が、他者を愛せるようになる、男の成長の物語です。ですので、彼の身上をかなり丁寧に描写しました。
カントという人の事はあまり知らなかったのですが、調べてみると確かに似ている部分があると感じました。自分では気づけない視点というのを知れるという機会というのは、貴重なものです。これを機にカント哲学というのを調べてみようかと思います。
改めて、この作品を読んで頂きありがとうございます。
良きカクヨムライフを!
美の標本への応援コメント
とても面白かったです。
確かに、この物語はハッピーエンドだと思えます。
切なく、グロテスクで、美しいお話でした。
作者からの返信
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この作品は過去に自分が書いた作品をリメイクしたものになります。
当初、リメイク前はバッドエンドで終わっていたのですが、新たに書き直した際に「新しい解釈ができるな」とエンディングを大きく変えました。
人によって解釈が変わるというのは、芸術作品を見る事に通ずる部分があるなと思い、自分の作品ながら興味深く思った次第です。
コメントが長くなってしまいましたが、改めて読んで頂きありがとうございました。良きカクヨムライフを!
編集済
美の標本への応援コメント
読みました。大変面白かったです。
真の美について追求したフランシスとそれを受けて最後に愛を獲得した主人公が、私がこの作品の中で最も良いと思った部分でした。
フランシスの考える真の美は、作中でも書かれていた人間の美も醜も(或いは正も悪も)全てを等しく価値あるものと認める人間讃歌でした。
そしてそれを追求する事によりフランシスは、自身のコンプレックスであった人形の様な外見と歪んだ内面の両方を肯定しようとしていたのではないかと私は解釈しました。
そう考えるとある種、最後フランシスが死んだのは人間の新たなる道を示したかったとも考えられます。
腹を切り裂き死を凌駕する事で生まれる作品を作り、それにより世界を変えたかったのではないかとも思えます。
実際フランシスの死を目の当たりにして、強がりだった主人公も自らの弱さを認める事が出来るようになりました。
そしてそうする事によって初めて素直な愛情を妻に伝える事が出来ました。
強さと弱さを併せ持った者は真の愛(つまり美しいもの)を獲得出来る……そういった事が最後の主人公と妻の離別の描写から伝わってきました。
おどろおどろしい描写やモチーフが多様される作中で、何処か切なく優しい雰囲気を感じ取れるのは、おそらくこういった事が作品のテーマにあったからではないかと考えます。
運命の魔女という登場人物も面白かったです。
この魔女がタイムトラベラーなのか、世界線を渡る者なのかはわかりませんが、この魔女を狂言回しとして新たな物語が動き出しそうな予感がしますね。
そして最後のワインの描写……これもとても印象的でした。
まるで何かを得る為の対価の様な……神聖なる儀式の様な……そんな感じを受けました。