reiko the illusionGirl
みけねこ
第1話 闇の中で
都会
そこは今、夜の闇の中にある
だか、この街は眠る事を知らない。
街は闇を嫌い
そこに住む者たちは煌々とその闇の中に
明かりを灯している。
それは、ある意味
人の産み出した文明と言う名の
狂気
と言えよう
しかし、それでも闇は広がっている
そう、人は万能では無い
この世の全ての支配など出来る筈も無い
そして人が生きて行く限り光と共に闇が有るのは必然とした世の理なのである。
その闇に染まる、高架橋の上に二人の人影があった
ひとりは白衣を身に纏った、見た目が15~6歳ほどの少女だった。
その白衣の少女の傍らに居るのは、血の色に近い赤のフード付きの赤く身体には合っていないのが解る程にダブダブな民族衣装の様な物を身に纏っており、その見た目は齢が5~6歳位の幼女の様な姿をしており身の丈も白衣の少女の腰辺り迄の高さしか無かった。
二人の居る高架橋の下には大きな道路が広がり、本来ならば人の寝静まっているこの時間にも、車は何処へと無くひっきりも無しに行き交って走り、そのライトの明かりが夜の闇を切り裂いている。
その時に不意に、赤い民族衣装姿の秋ずきんちゃん風の幼女が口を開き、傍らに立つナースの様な白衣を着た少女にポツリと
「人間は闇を作りながら闇を恐れているのね……」
まるで独り言の様に呟く様に言うと
白衣の少女は
「きっと死を恐れているんです。人間には未知なる恐怖ですから」
と、苦笑しながら秋ずきんちゃん 零呼 にそう答えて返した。
するこ零呼は白衣の少女 ミカ を省みる事無く、今尚、車の行き交う道路を見下ろしながら
「人間はその心に闇を持っていて、そして時にはそれに支配されて、人を殺す事もあるのに、やっぱり自分自身の死は怖がり、そして恐れている……矛盾だらけね」
と無表情でそしてそこ言葉にも声にも感情もなく、まるでその様な機械が自動的に話し、そしてミカにその言葉を自動的に返して来ていた。もし、ここに他の第三者が居たのならば、その様な事を話す幼女 零呼 はとても不気味で得体の知れぬ恐ろしい子供として、その目に映るであろう事は想像するに難くは無かった。
そして、その幼女に畏まった態度を取っている ミカ の姿もまた同様であった。
そう、この二人は人間では無い
光と闇の狭間に存在する者たちなのだ。
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