痣

痣

　ふと腕を見ると、身に覚えのない痣ができていた。

　幸い、そこまで痛むこともない。薄茶色っぽい色味なところを見るに、本当に軽い鬱血なんだろうなと思案した。

　次の日。

　ふと腕を見ると、痣が増えていた。

　手首付近にぽつんと薄茶色の痣がそこにある。

　転けたりドジをしたりしない自分にしては、なんだか珍しいことだなと思う。試しに、2箇所同時に押してみるが、痛むような気がする程度で留まる。

　まあこういうこともあるよなと思った。

　次の日。

　茶色い痣は、顔にも出来ていた。

　鏡でよーく見ないとわからない程度の薄さで、ちょっとシミにも見えるかもしれない。なんだか嫌だなぁと思いながら顔を洗った。

　次の日。

　今度はいつもより濃いめの痣ができていた。

　いつもより赤くて、少し痛々しい。押してもそんなには痛くない。

よく見ると、痣の中心がかさぶたになっていた。