無責任最低クズ転移者 〜異世界で美女達を好き勝手惚れさせて捨てた結果、逃げきれません!日本に逃げても無駄なので大人しくハーレム婚してください〜

ポパペパ

プロローグ 無責任男、刺されました

 俺は責任を取らない。


 借金、恐喝、いじめ、強◯未遂の問題を持つ女が弱り切ったタイミングで颯爽さっそうと助ける。

 心の弱った女には自分だけのヒーローにしか見えない。

 物語のそれと大きく違う点といえば、俺は体の関係を迫ることだ。

 ゆっくりと時間をかけ、トラウマを克服させ体を好きにする。彼女はいらない。依存させ、やりたい時だけやり、女に恋人へと迫られたらはぐらかし、絶対付き合わないのだ。

 


 ◇



 俺の名前は葛原誠治くずはらせいじ、180センチの身長、適度に鍛えられた体、誠実そうで野性味あふれる甘い顔。勉学は真面目に取り組み、医学系の大学3年生であるも投資を勉強し、億の資産を持っている。また格闘や剣道を学び、どんな漢にも勝てるように訓練している。


 今日も一人暮らしの家に女を連れ込んでいる。

 女の名前は、想川黒亜そうかわくろあ、俺が一番最初に助けた女だ。

 中学時代からの付き合いで、俺と同じ大学に通っている。

 見た目は黒に近いこげ茶の長い髪が特徴的な美人。目は少し垂れ下がっていて、体型は出るところは出ているが細いというモデル体型のFカップ。


 ルックスとスタイルの良さから、非常にモテる。だが今まで告白してくる男共を全員断っている。理由は『中学からずっと好きな人がいるから』らしい。好きな人というのは間違いなく俺だろう。


「くろあ、おやすみ」

 黒亜の唇に自分の唇を軽く重ねた。

 

「はぁ……ん……せいじくん、大好き」

 猫みたいに甘えた声で俺に抱きつき、胸に顔を埋める。

 

「俺も好きだ」

 いい香りがする頭を撫でながら、彼女の体温を肌で感じていた。

 

「ねぇ、せいじくん。私たち出会ってからもう8年経つよね」

 黒亜はどこか真面目な声で不安げに俺を見つめる。出会いは中学2年生の春、彼女はクラスで孤立しいじめを受けていた。

 そんな彼女を俺が救い上げて、依存させた。高校も黒亜は俺についてくるほど。そんな彼女とは肉体関係はあれども恋人ではない。

 

「ああ、そうだな」

 俺は空気が変わったことを察知し、わざとあくびをしながら、目を閉じた。


「もう私たち大学生だよね、せいじくんは結婚って興味あるかな?」


「んっ……」

 俺は確かな頭でうめくように反応した。


「せいじくん……よかったら……大学卒業できたらあなたと結婚したいです……」

 少しの沈黙の後、反応をうかがうように真摯に問いかけてきた。


「ZZZZ…………」

 そんな問いかけを無視して俺は寝た。



 ◇



 翌朝、黒亜と向き合う形で食卓に座っていた。

 

「朝からありがとう、美味しいよ」

 俺好みの甘い玉子を頬張りながら、黒亜のことを褒める。

 

「せいじくんが美味しそうに食べてくれるから私も嬉しい、ねえ昨日の夜のこと覚えてる?」

 彼女は箸を置いて、俺を直接覗きこんでいるような錯覚をしてしまうほど強く見つめる。

 

「もちろん、白いワンピースの中にある花柄の淡いピンク色の下着、たくさんえっちしたことあるのに脱がす時はいつも恥ずかしそうに顔を隠すくろあのことは毎晩忘れずに覚えてるよ」


「うぅぅ……、昨日のえっちのことじゃなくて、あのね」


「気持ちよくなかった?」

 聞きたいことがわかっているが、あえてはぐらかす。

 結婚する気は俺にはないからだ。


「えへへ、すごく気持ちよかったよ……、えっと違くて」


「わかってるって、先月プレゼントした下着とワンピースのことだろ?くろあに似合うと思ってあげたけど可愛かったよ」


「え、気づいてたの? 嬉しい、せいじくんすっかり気づいていないと思ってたから」

 

「ばーか、俺がくろあの考えてることわからないわけないだろ、もう朝の講義に間に合わなくなるから早く飯食うぞ」

 

「うん……」

 俺がそう言うと彼女はどこか寂しげに首を縦に振る。

 

 そして俺達は食事を再開した。今思えば、彼女の様子はどこかおかしかったように思える。


 いつもの通学路、俺と黒亜は一緒に歩いていた。

 すると俺のポケットに入っていたスマホが振動する。

 スマホを確認すると俺の女のうちの一人からの電話だった。


「わかった」

 黒亜から離れて電話に出たあと、すぐに会いたいと言われた。


 「くろあ、悪い用事ができたから一人で行ってくれるか? 二限には顔出せると思うわ」

 俺は黒亜に申し訳なさそうに伝えた。


「うん、ばいばい」

 彼女の悲しそうな声を背にし、前を向き歩みを進める。

 

 黒亜と別れてすぐに背中に勢いよく何かがぶつかる。俺は地面に勢いよく倒れた。背中に激痛を感じ、倒れながらおそるおそると手で痛みに触れると真っ赤な血がついていた。


 黒亜に刺されたのか……?

 いつかこうなる未来は考えていたことはある、長く付き合えば付き合うほど女達から結婚や彼女にしてくれとせがまれてきた。

 だからこそ俺の女同士で接点も持たせないようにも注視していたし、一人暮らしの部屋も女の数だけ借りた。

 悩んでいる素振りを見せた女はすぐに家に呼び出し真摯に務めていたと思っていたがこのザマだ。


 刺された背中から血がドバッと出ていることを感じた俺はもう助からないだろうと思いながらも、もし来世があるならもっと早めに捨てようと決心し意識を手放した。






〜あとがき〜


救いのあるクズ主人公が大好きなので、まったりと書いてみることにしました。

プロッドは軽くは作って、ログラインとエンドは見据えています。

初投稿なので改善点とかコメントとかもらえると励みになります。

それにしても初投稿ってこんなにも緊張するなんて知りませんでした……

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