8. 雷の日
幼稚園児か小学校低学年くらいの男の子が耳を塞いでうずくまっている。
その日は雷が鳴っていたので、雷が怖かったのだろう。
「ぼく、どうしたの? 体調悪い?」
そこで通りすがりの男子高校生が男の子に声をかけた。
「雷が怖くて……」
男の子は震える声で返す。
体調が悪いわけじゃないと、首を横に振る。
「お父さんかお母さんは?」
男子高校生が問いかけると、いまは僕だけと男の子。
「1人じゃ危ないし、誰か大人呼んで来ようか?」
そう男子高校生が男の子に訊くと、女のひとが通りかかった。
ショートカットの若い女性で、黒いワンピースにパーカーを羽織っている。
最近の学生も捨てたもんじゃないなと彼女は思いながら、その様子を見ていた。
すると男子高校生が「すみません、ちょっとこっち来てもらっていいですか?」と彼女にお願いする。
お願いされた彼女は快諾し、男子高校生と一緒に男の子の元に向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます