4. 戻りたい

 若い女性社員が新しく入社してきたけれど、彼女はやるべき仕事を放置して男性社員とのおしゃべりに夢中。


おしゃべりするだけなら好きにしてくれと思うが、その皺寄せが他の人にいっていた。


そこで俺が彼女を注意すると、彼女は逆上して


「やり方がわからないのに放置されてるんだから、しかたないじゃない!」


とフロア中に響き渡る声で叫ぶ。


その後は小さな子どものように号泣。


周りは何事かという目で見ている。


それから彼女は体調不良という名目で早退し、明日から病気休暇に入るそう。


 昼休みになり、なんとなくオフィスにいたくなくて公園のベンチで缶コーヒーを飲む。


さっきのは全部、俺のせいなのだろうか。


そんなことを考えながら。


缶コーヒーを片手にボーっとしていると、仲良く話しながら歩く女子高生2人組が視界に入る。


内容はわからないけれど、彼女たちは楽しそうにおしゃべりしていた。


若いって良いよなあ。俺もあの頃は……ーー。


高校生時代に戻りたいと考えながら過ごしていると、あっという間に昼休み終了10分前となった。


俺は急いでオフィスに戻る。

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