第3話

まだ小さな頃の話だ。


押し入れに閉じ込められ、ふたりきりになった僕に彼は言う。


君にだけこっそり教えよう。僕は魔法使いなんだ。君の全てを奪うために、空からやってきた。君は、僕に奪われたいとは思わないのかい。


窓を開けると、彼はいた。まるでピーターパンのように。


さあ飛ぼう。僕と一緒に。

君を縛る全てを投げ打って。

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