終末だけれど、やさしい世界

まだ残されているわずかなインフラ設備を求めて、人々が住む場所を転々とする世界。
荒廃した未来の見えない世界なのに、そこにあるのは殺伐とした社会ではない。
あるのは絶望ではなくやさしさ。

文明が滅ぶ前のことを何も知らないポラは、カメラのフィルムを求めてまだ見ぬ街へ旅に出る。
大冒険ではないけれど、ポラにとっては大事な旅。
その先でポラは何を手に入れるのか。
純朴な主人公の静かな語り口が、筆者独特の世界観に引き込んでくれる。

きっとポラも仲間たちも、幸せな生涯を送るだろう。

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