第10話 途切れる者




自爆してゆく痛みなど

使い古した記憶にすぎない

新しいものを嫌う割に

想いの輝きに嫉妬している


苦い感傷に浸る者

近づくなと警告する

張り巡らされた針の穴で

もがく影の痛みなど

数個の氷でしかない


いつか溶けるそれを

大事にするなら

ここで見ている

ここでそこを除いてやる









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