第29話 『負けない高級住宅街』
最近開発が進んでる、山近くの住宅地あるじゃないですか。
結構いいお値段の家が建つ感じの。
あの辺って、昔から土地の縁起がいいというか、「勝負運がつく」とか言われてるんですよね。
なんでそこまで縁起に任せるのかなぁって不思議に思ってたんですよ。
確かあの辺って、本当は曰くがあったはずで。
図書館の古い地元の資料を読むと分かると思いますよ。
だってあそこには昔、嫌な風習があったので。
その住宅街のあった土地ってのはね、要は沼だったらしいんです。
それもひどく臭う沼だったそうで、それを抑えるために大量の花を投げ込んでいたそうなんですね。
花が投げ込まれては腐れ、投げ込まれては腐れ…
そんな場所だから「負けない」って。
そういう事だったんだ…と、なぜか腑に落ちたんです。
ずっと循環させ続けているから、投げ込まれ続ける限りは決して「負けることは」ない、ってことらしいんですよ。
勝ってる訳ではないにしても。
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