第22話 『廃病院の親睦会』
私が高校生の頃の話なんですけど。
転校して少し経った頃、クラスメイトがお泊まりに誘ってくれたんです。
まだクラスに馴染めずにいたので、とても嬉しく思ったのを覚えています。
ただ、他の子はちょっと微妙そうで。その理由はすぐ分かりました。
転校したてで地理に詳しくなかったんですが、お泊まりに誘ってくれた彼女の家の向かいには、廃業した真っ暗な病院がぽつんと建っていたんです。
お泊まり会当日、彼女の部屋の窓からはしっかり廃病院が見えていたんですけど、他の子は全員窓の方を見ないようにしてましたね。
さりげなく明るいうちにカーテン閉めて、可愛い照明とか持ってきたり音楽流してたり。
夜中、ふと目が覚めると、窓のカーテンが全開になっていました。
廃墟のはずの病院はすべて明かりがついていました。
すると泊めてくれたクラスメイトがいつの間にか横にいて、
「毎回同じメンバーばかりで退屈だからあなたに来て欲しいみたい」
と私に言ってきました。
普通に嫌だったので断ってそのままもう一度寝たのですが、あれ以来そのクラスメイトとはあまり話さなくなりました。
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