たびにっき。9~夏の終わり!? のプール大作戦~

霜月サジ太

~夏の終わり!? のプール大作戦~

「たびにっき」常連の方は周知のことと思いますが。

 ちょいと前提のお話。

「たびにっき」はカイゴノオシゴトの一環で行っており、まぁとにかくどこ行った何があったの記憶力が悪い霜月の自衛の策としておもしろおかしく旅行の出来事を記憶にとどめる方法として描いているものです。

 なのでエッセイというよりは、TwitterのようなSNSの延長みたいなダラダラ長い独り言みたいなものです。

 固有名詞や人物特定できるような情報はかなり避けているため、傍から見ると何が言いたいのかちんぷんかんぷんかもなぁと思っています。

 折角読んでくださっているのにこの点は申し訳ないと感じています。


 それでも、車椅子利用者、肢体不自由者を連れての旅行がやろうとおもえばできること、そのなかで起こる事件とどう乗り越えているか、みたいなところを参考にだったり楽しんでもらえたらと思って書いています。


 それを踏まえて楽しんでいただけたらと思います。


 旅行のメンツはいつものように


 C=CUSTOMER(利用者

 B=BOSS(上司

 G=GUEST(ゲスト(むしろレギュラーゲスト

 あーんど霜月の合わせて4名!



 それでは今回の旅の始まりです!



 この旅行が荒れやすい原因の一つとしてあげられるのが、たいてい決行の確定は直前ということ。

 なにもキャンセル料が発生する段階が直前ではないのです。

 ちっちっち。甘く見て貰っちゃぁ困る。


 出発前日に予約を取る。


 もはやこれがスタンダード。笑


 うちらの仕事は割りと自分たちの中で完結していくため、スケジュールの自由が効き基本的にはフリーなんですが、当然ながら旅行メンバー皆の予定を嚙み合わせることだけは必要で。

 その上でなるべく宿泊費は抑えたいので、直前になって値下げ窮まったところをかっさらうわけです。

 予約担当のうちの上司Bはそこんとこプロですね。


 前回はどうしても海へ行くミッション優先&格安情報が流れてきたため、珍しく出発まで一週間の猶予がありましたが、そんな猶予があるほうが例外。


 今回も3日くらい前から本格的に検討、確定は前日昼でした。


 夕方、日勤さんと交代してからがミッション開始。

 白髪の目立ってきたCの髪を染め(割と定期でやってるやつ)、食事やら済ませて横になってもらってからが本番。

 なにせ出発がバレたら興奮して一晩寝つかない(そうでなくても寝ない可能性あるし)

 これは毎度書いてる感じがしますね。


 いやぁまだ余裕っしょ、と思っていたけど、

 荷造りして(この時点で0時)、朝食用の焼きそば作って。

 なんかチラチラTwitter見ちゃったりして(どう考えてもそこが余計やろ

 気付けば2時。(大馬鹿


 10時過ぎには迎えに来るそうなので、準備がギリギリになるから30分前には準備万端にせよとお達し。

 9時半完了ならば2時間前にCを起こせばいいので7時半に起床。

 ふと霜月家に忘れ物あること思い出し、30分もあれば平気だろ、Cを起こすまでの自分の身自宅もあるので6時半起床と目覚まし。


 4時間寝られるよ!(少ないわ


 焼きそばは若干余計だったんですが、麺がカビ生えやすいやつなもんですから、作らざるを得なかったんですね。


 というわけで

 就寝。


 ……。


 …………。



 朝起きて。


 1時間寝坊!(ほらやらかした


 忘れ物を自宅へ取りに戻り(正味15分

 寝汗ベトベトだったので秒でシャワー&髭剃り(15分


 Cを起こして準備(予定より30分押し。


 ギリギリまで内緒にしたかったけれど、準備時間短縮の撒きだったので起床と同時にネタバレ、急ぐ!

 Cは焼きそばを用意した量の半量しか食べず(0.5:1.5で作ったんだけど)。

 朝からフードファイト1.75人前。


 10時過ぎに迎えに来るとのことで9時半目指し準備したのが、なんとか10時前に完了。間に合った!


 いや、聞いて下さいよ。

 Cに施したメイクの眉がですね、10年くらい外出の度に施してるソレが、過去最高の出来だったんです。

 いつも左右のバランスや位置が「どうもなぁ……」と感じるのが、位置、カタチ、バランスどれもgoodで朝からやりぃ! とガッツポーズ。Cには「ふーん」と流されたけれど。


 車が到着、不要なもの荷下ろし、荷積み、乗車。

 中身捨ててと頼まれたゴミ箱を、他ごとするうち置き忘れて出ちゃったのはご愛嬌。(ちゃんと帰宅時に返しました!


 さてさて出発。

 BGMはオザケン!

 選曲担当のBはノリノリで歌う。

 ハッピーだよねオザケン。

 いつも騒がしいのに珍しくCは静か。

 車待ちの間もそういえば静かだった。


 日曜の午前は車少なく、何ごともなく到着。

 3食必ず食べたいCのためコンビニで食料調達。


 車を停めプール用具だけ持ってホテルへin。

 プールの階へ移動、open前なので列に並び、待つ間にCの食事!


 おにぎり、ゆで玉子、チーズ。バクバクたべる。えっ。はやっ。

 入場前に食べ切ったよこのヒト。


 受付し、入ると事前に聞いておいた通り階段が立ちはだかるためとりあえずCを放置しデッキチェアの場所取り。

 デッキチェアが埋まったら入場制限だとか。頭いーね。

 さぁCを運ぶぞとなり。

 20センチ×7段はまぁまぁの高さ。

 水平移動ではなく上下移動があるので、海で活躍した担架より、災害救助用おんぶ紐(紐ってゆーかシート)でおぶったほうがよさそうだとなり。

 おんぶシートを出すものの。

 あれ?どっちが上?どう付ける?

 説明書は? ちーん、忘れた……。


 変なつけ方では落ちたり体痛めたりあり得るので、力持ちGの姫抱っこで運搬。

 申し訳ねぇっす。


 入水準備、あらかじめ水着を着こんでいたCと霜月は服を脱ぐだけ。

 いや実はCの中に仕込んだパットを取り出すのに引っ張ったら破れちゃって、ポリマーがちょっと散ってやばかった。慌てて拾いましたわ!


 例によって日焼け止め! といいだすC に、海の教訓を生かしてたっぷり塗りたくる。

 いつの間にかプールに入っているB。

 長方形プールに、霜月が試しに入れと指示。

 Cを入れるために、カナヅチで水が怖い霜月が浅めのところからはいり、どこまで平気かの確認。

 足場が見つからず飛び込むしかないという(逆側にあったんですけどね


 って、あったかい!!!!!


 水が結構ぬるめだったおかげで水の冷たさに怯えずに入っていられる!

 全然平気、真ん中の一番深いとこまで行っても平気。


 C投下のために浮き輪をセットし、Gが上からCを投入。Bと霜月でキャッチ。浮き輪にイン。

 あとはひたすら浮いていてもらう。

 人の流れで何となく流れてく。


 波が無いしクラゲも居ないので平和ですねプール。

 浮き輪なしで浮かぶB。


 水もぬるくて気持ちに余裕ができたので、泳ぎの克服できないかとちょっと練習。

 霜月試しに浮いてみるもうまくいかない。

 仰向けより俯せで浮くほうがやりやすい、と。

 やった瞬間、鼻に水が迫ってくるので怖くて顔を上げてしまう。


 鼻に水を入らないよう、鼻から空気を出すんだよ、と

 鼻呼吸を伝授されるがうまくだせない。

 ゴーグルはめて水中から見せてもらったけど

 鼻から面白いほど空気出してる!

 と爆笑しちゃう。そんなにできるものなの!


 いざやってみると、自分の鼻息より水圧のほうが強い。

 顔に意識集中しすぎて全身に力が入る。


 鼻は後でいいから、となり、

 まずは力を抜いて浮く練習。

 お臍を見る。

 手の力抜いて、広げない。


 むずい。こわい。

 いっこやると一個忘れて力入る。

 もとからマルチタスク苦手だからもう大混乱。

 それでも何度もやるうちにちょっとずつ鼻から空気を出せたり、お尻がちょっと浮いたり。

 何事も訓練て大変っすね。


 ああ、CのことはBとGが見ててくれてますので、放置してはいません。笑


 一旦上がり、デッキチェアで休む。

 Cに水分摂ってもらいつつ。おやつのりんごはちょっと堅くて食べづらそう。


 デッキチェアにはパラソルが付いているものの陽射しの角度であまり意味がなく。

 Cにはバスタオルかけて日焼け回避。


 そうそう、ここでね。

 Cの介助しながら周りを見てると水着のおねーちゃんがいるんですよ。(そらおるやろ

 ファミリーも年配夫婦も若カップルもいるんですが、気になる動きをするのはおねーちゃんズ。

 携帯をですね、片時も離さないんです。

 水にね、1秒も浸からないんです。


 ひたすら写真を撮ってるんですねー。

 いや、いい値段するんですこのプール。

 一応都内最大級とか。

 潜ってみたときに水もすごく澄んでいたし、その割に塩素臭さも強くないのでっ浄水装置かなりいいものの可能性。

 ナイトプールもやるし、式場としても使うくらい(そのため段差がおおいんだけども

 なのに入らないんだ~~。まぁ自由なんですけどね。

 デッキチェアからほぼ動かず、様々角戸変えてずっと撮影。

 二人連れで、はじめはツーショット撮ってましたが、いつの間にか一人は撮影係に。

 ああ、序列……。

 マジでうちらが帰るまで3時間ずっとやってました。

 ガチ勢っすね。


 しばらく休んでから、メインプールを偵察。

 ぬるいから怖さ軽減で偵察まで行っちゃう霜月。

 いびつな形だけど縦にも横にも広いから、浮くならこっちのがよさそうで。


 プール内に仕切って作られているジャグジーが温水でほぼ温泉状態。

 これはよさそうだと、車椅子ごと運搬。

 大きな段差が無いので割とスイスイ移動できちゃう。複雑なつくりの割に遊びやすい。

 いや、車椅子使ってこんなとこ入るのもうちらくらいのもんですが……笑


 ふたたびin。

 手際よくCを浮かせ。巨体のGが同じように浮けないかと奮闘。

 じたばた繰り返すので大爆笑。

 あれ!?

 そういえばゴーグルが見当たらない! 落とした!? どこで!?

 Cを二人に任せて霜月は探しに。


 だってプールサイドあっついからねぇ。

 そもそも水中適応×の霜月が残ったところで、Cに何かあったとき助けられないし。


 歩き回るも......

 無い。

 ない。


 ないない。

 ぐるぐる探し回る。

 仕事中によく探し方が悪い、もっと丁寧に見ろと言われるので、ひとつひとつ荷物どけて見て、プールの中も歩いた道もくまなく探す。


 なのに、無い!


 ここまで探してないのだから、とライフセーバーさんに「ゴーグル落ちてませんでした?」と尋ね。

 すぐ出てきた!

 落っこちてたんですね、やはり。

 一件落着。


 使ってていいよ、となったのでゴーグル装着、代わりに眼鏡をプールサイドに置いた浮き輪の側に置く。

 勘のよろしい方は気付きましたね?


 霜月再び浮かぶ練習したり、温水ジャグジーでまったりしたり、Gが浮き輪乗りに成功してCと並んで浮いてたり。

 こっちにも別の映え写真女子グループが居て。水槽に入るときはスマホ禁止って注意受けると、即座にその注意した監視員のおにーさんにスマホ渡して何枚もポーズ変えて撮ってもらう強メンタル。

 なにその機転やばすぎやろ。


 なんやかんやと遊び、Cが上がるとなったので水中から持ち上げてデッキチェアへ移動。

 運び終えたところでメガネを取りに。


 ......無い。


 またも回収されたかな?


 と問い合わせても......


 ない!



 霜月のメガネない。


 問い合わせてるときに居合わせたおじさんが、

「いやおでこにあるやん......ってそれゴーグルかーい」って一人ボケツッコミしてはったわ。

 おーけーおーけー笑い提供できたし。


 今度は届いてないってことは、もしかして......。


 ゴーグル装着のために外し置いたあたりでプールの中に沈んでた。

 あってよかった~~~~ってなったんですけど。


 帰りに気付いたレンズに擦り傷できてるぅ!


 ぎゃ~~~~~。


 まぁね、ちょっとボロくなってきてたんで買い替え時なんですけどね。

 メガネの、耳ひっかけるとこあるじゃないですかぁ。

 あそこ、耳の皮膚と擦れまくって

 耳の付け根んトコいっつもカサブタできるし、メガネの樹脂が摩耗して金具見えてるんすよね。

 メガネ屋もっていって調整しても直んないし。


 あ、余談でした。



 無事にメガネを回収したところでもう一度休んで、Cが最後にもう一度入りたいと希望で

 最初に入った長方形にin。


 十分楽しんだので上がって、着替えて荷物入れ替えてチェックイン。

 部屋へ行くと同時にCの入浴開始。

 Cはシャワーチェアに座ってもらい洗ってると支えてた手が石けんで滑り、あわやC転落。びっくりした。

 怖いのでそのあとは浴槽地べたリアン。


 入浴済ませると例によってBとGは退散。

 1on1になると急にわがまま炸裂するのがCの常套手段。

 濡れた体はエアコンで冷えるから霜月も入りたいところだったのを「喉が渇いた」などと遮るC。

 気が済むまで仕方ないかと指示に従ってみたものの、あまりに冷えてきたし「用意が悪い」だの「早く」だの調子に乗ってる感じだったので「やってられんわ!」とキレたていでさっとシャワー浴びる。

 自由に動けないのから人を使うために口うるさくなるのは当然だけれど、今やらなくていいことまで要求してきたり、あんまりやりすぎると増長するのでときにはバランスとりつつなんです。

 知らない他人が見ると虐待だなんだってなりそうですけどね。

 こわいこわい。


 気を取り直して。

 疲れたと横になるC。

 じゃあ買い物行ってくるから寝てて、とする。

 暗くして、と9階のせっかくの眺めをシャットアウト。

 スパーあり、入れそうなお店ありと偵察からの連絡もらいつつ、しばしCからの解放。


 主要国首脳会議みたいな名前のスーパー、23時までやってるって!

 これはもう一度来れるな、ありがたい!


 いや、もしかしてまだ値下げ始まってないんじゃ......と心配したけど、もう始まっててラッキー。

 見繕って、値段の変わらない加工品とすでに値下がりしてる惣菜類からCの好きそうなものチョイス。

 疲れてるだろうから食べるかどうかわかんないし。

「エビ」「アイス」「おやつ」という要望を何となく叶えつつ、戻る。


 よくよく考えればCに食べさせてばかりで焼きそばフードファイト以外何も食べてないんだけど、珍しくお腹空かないのでもっと値下がるまで待つことに。

 なぜなら夕飯食べたらきっとCはすぐ入眠モードだから。


 すぐに来られるさ~、と戻ると「散歩」と言い出し譲らないC。

 散歩してから食べる。


 これは聞かないやつだと悟り、身支度して出る。

 ホテルってオートロックのカードキーだから、いつも忘れないかすっごいドキドキするんですよね。

 一応予備はBが持ってるけど、そんなアホなことしたくないので何度も確認してまた外へ。

 ご飯は買ったからね~と何度もCに念押し。「出るだけだから」と珍しく反論あり。

 そう言うってことは理解してるってことだからこちらとしては安心。


 外に出ると、見覚えのある姿が腰かけて寛いでる......。

 BとGでした。

 Cが気づいていないようなので、あまり視界に入らないようスルー。

 見つけたらご飯は?とか何か買ってとか。人が変われば言い出すのがC。


 無事に素通りし、道路渡った隣の区画の公園を回り、スカイツリー眺め。

 気が済んだそうなので帰る。


 帰り道にまたBとGに遭遇。

 今度は向こうも気付いてるようで、遠くから手振りとアイコンタクトで回避。

 知らぬはCばかりなり。


 部屋に戻り、夕飯。

 赤い魚ことサーモン丼をはじめ、さっぱり惣菜数点。

 散歩予定外だったので霜月さすがに腹減りなので持ってきたスープ春雨。

 案の定どんぶりでほとんどお腹いっぱいになり、早く夕食切り上げるC。

 残りは全部霜月の胃袋。


 歯を磨いて顔拭いて着替えて寝るC。

 寝るって言ってるけど寝ないで喋ってくる。

 ご機嫌なのはいいけれど、随分ハイなのはよほど楽しんだのか。

 テレビは嫌だというけれど、ラジオは無い......。

 おっとテレビでyoutube観られる!

 ということでお気に入りラジオ番組検索して流す。

 部屋を暗くしても画面がまぶしいのでバスタオルを画面に重ね掛けして暗く。

 それでもまだ話しかけてくるので、明日の朝ごはん買ってくるから、と振り切ってスーパーへ。


 見切り品を吟味。ふふふ……さっきより下がってるぅ。

 お腹が空いてきたので、2食分+明日の朝ごはん。

 一食抜いた後、普通に食べても「足りない足りない!」って良くなるんですよ。霜月のカラダ。

 翌朝Cがどのくらい食べるかも怪しいので多めに購入。

 レジで並んでるとBより連絡あり、Cが好きだから行けそうならバーに行くが様子はどうだと。

 横になっても寝ないから元気そうだと回答。機嫌もいいから行ってもよさそうであり。二人の都合にお任せ。

 戻るとまだ起きていて暗闇から話しかけてくるC。

 これで寝ちゃったらバーに行くとなった時に悪いので、例によって唯一明かりをつけても文句を言われない洗面台で食事を取りながら、興奮させない程度にCのおしゃべりに付き合う。

 食事するのにシャワーチェアがお役立ち。


 ノンアルビールの缶を開ける音を聞かれたために「ちょっと飲みたい」というCのため、寝転がってる口にちょっと垂らす。「あんまり苦くなくて美味しいね」ってさぁ。

 知らないはずなのに行く気満々じゃないか。


 予定の9時になったのでBとGの部屋(隣)をノック。反応無し。

 取り込み中?と思いまがらノックしては待つ、を繰り返すこと数分。廊下からやってくる二人。


 わしゃぁ無人の部屋叩いてたんかい!


 じゃあ行こうか、とバーへ。

 なんでだました?と問うC。


 騙しちゃいないけど、行くか行かないか決まってなかったから言わなかっただけだーい。

 最上階で夜景!スカイツリーが映える映える。

 ガラス張りの窓から真下を覗くと、昼間泳いだプール。

 って、誰もいない。さすがに9月。夜は寒いのか。まぁ明日月曜だし。


 さて、カクテルの名前は忘れちゃったけど、ホテルのバーだけあって種類豊富、メニュー表とにらめっこ。

 ノンアルオンリーのCだけさっくり決め(決めないとまた騒がしいからね)悩み抜くうちに届いちゃってひとりゴクゴク。

 早々に飲み切ったCのため、ストローをスポイト代わりに三人のを一滴ずつCの口に垂らし、味わってもらう。

 それでも口さみしくなるため添えられていたさくらんぼをあげたり、おつまみでもらったピリ辛のあられも貪り。

 酔いが回ったか強気な発言になるC。なんだかGにケンカ腰。酒は飲んでも飲まれるな~。飲ませた方が悪いっスね。ハイ。

 一杯飲んでさっくり帰るも、部屋に戻って消灯してもまだ喋り続けるC。

 コーヒー作っとけよ~

 はーい。

 ごはんある?

 ありまーす

 今日何食べた?

 赤い魚~。

 などなどエンドレス。


 やかましいので洗面台のドアを閉めてCへの返事を止める。

 霜月はさっき飲みかけのノンアルビール(放置しちゃって常温)を飲み、たびにっき用に今日の出来事を書きとめようとして2行で睡魔。


 普通にカクテル飲んだし、海のときみたく昼寝してないので限界でしたね。

 ホテルまで来て洗面所で寝落ちとかアホすぎるので、大人しく布団に入りスヤァ。


 価格抑えたためにベッドがセミダブルひとつだったもので、久しぶりにCと横並びに寝たけどセミダブルはまぁ狭い。

 って感じてたはずなのに即入眠してました。睡魔は何物にも勝りますね。


 この時点で23時前。


 ……。


 …………。


「お願いお願い踵痛い踵痛いなんとかして!」と騒ぐ声に叩き起こされた……。

 案の定というか、お約束というかなんともはや……。

 眠い目をこすり働かない脳みそで必死に考え、霜月の使っていた枕をCの踵の下に敷く。

 右が左だと訊くのも厄介なので無視して両足とも乗せる。

 間違いはない。


 で、枕敷いたものの、そこで気を失ったらしく。


 再び「うんちうんちうんちうんち」と騒ぐ声によって目覚め……。

 目を開ければCの足があるし、己の足の方を見ればCの顔に足向けてる。

 くっついてないし気にしてる様子ないからセーフってことで。


 そんなことより騒ぎ立てるCをどうにかせねばならず。

 おならじゃないの~?とか言ってみるものの効果なく。

 仕方がないので寝ぼけ眼を必死に目覚めさせCをトイレまで連れていくことに。


 いや、狭いからずっと便座に座るの回避してたんですわ今回。

 お互いに疲れてるから危ないし。

 でもうんちと言われれば便座に座らないわけにはいかないので、不本意ながら。


 便座までは行けるぎりぎりまで車椅子を寄せ、脇を支えて立ってもらい、半分引きずる形でトイレに座る。

 狭いと思ったけど、いいホテルで配置や間取りがいいのか意外と入りやすくすんなり座れ、姿勢も安定。

 結構便座によって座りやすさ違うんですよねー。

 安定して座れるとこはポイント高い。


 で。



 ぶぅ~。



 ……。

 察してください。


 出ませんでした。



 ひたすら眠くて怒る気力もなく、気が済んだとベッドへCを連れ戻って寝る。


 時刻は5時半。お空がうっすら明るくなっていた時でした。


 ……。



 7時。目覚まし。


 起きる起きる起きる起きる!


 むりーーーーーー


 やめてーーーーーーーーー


 足の付け根が痛いなんとかして揉んで揉んで揉んで揉んで!


 うるさ。塗り薬塗るわ~

 起きる。もっと寝たかったよぉー。(目覚まし早すぎた

 珈琲。はいどうぞ。

 食べる。……って言うほど食べない。疲れてるけど気持ちだけハイで何かせずにはいられないモード確定。


 Cの食料が半端に残るので霜月またもフードファイト。朝ばっかり。

 ハミガキ。着替える。メイク。

 時刻は9時。


 たしかチェックアウト11時。


 そんなに急いで何するの? チェックアウトまだなんだけど。

 散歩したい。


 最初っからそう言えー!!


 いきなり散歩するにも、荷造りが終わっていないので部屋に出した荷物をどんどん片付ける。

 まぁすぐ終わりますよね。

 Cはずっと「早く早く」と騒いでいるし、準備出来ちゃったものはしょうがない。

 照り付ける日差しは覚悟して、表に出る。


 昨日の夕方とは反対の方向へ。


 橋があるね。川だ。

 あ、川の端に鳥がいる。


 Cとは普段近所の公園によく鴨を見に行くので、鳥を見たいんじゃないかと接近を試みる。

 なんだか大きそうな。サギとか? 傍のスロープを降りる。結構急なので後ろ向きでそろりそろりと。


 表示されている看板から、降りたところは釣り場らしく、ところどころ魚が跳ねる姿あり。

 近く、と言っても10mほどの距離で見る鳥。

 鴨も紛れていたけれど、それよりちょっと大きめで、くちばしの長細い白いのや黒いのが。


 鳥たちは特にこちらを気にする様子もないのに

「もういいもういい」と言いだすC。

 来たばっかりやないか―い。

 仕方ないので引き返す。

 降りたときとは違う、上りやすそうな坂の緩やかなスロープから上がる。


 どうして危ないところにいった? とC。

 え? 鳥すきでしょ?

 首を振るC。

 え? もしや襲われたら怖い?

 頷く。

 釣り場だから魚狙ってるんでしょー。人間は襲わないよカラスじゃあるまいし。

 と、適当に言う。


 もう気が済んだらしいので、日差しの強さに参りそうだから部屋に戻り。

 10時半。待機してるとBに連絡すると、

 チェックアウト12時。との返事。


 はい??


 たしかに調べた時に公式サイトから予約で12時まで延長可能とあったけど


 そうしたんかーい。

 おしえろや―い。


 時間を持て余すのでCをベッドに寝かせ。

 霜月は寝汗もすごかったうえに散歩で追い発汗したのでシャワー浴び直し。(追い発汗ってなんやねん

 あとはちょっと横になるなどし。時間を待って撤収。


 どっか寄る?と安定の発言をするCに、いや朝食べれなかったでしょ、と突っ込むと諦めるC。

 ガチで無理なんやなぁ。


 午後に急用が出来たそうで、今回は寄り道せずにまっすぐ帰宅。

 お疲れ様でしたー。


 帰りの車内でもほぼ無言だったCは、帰宅すぐにベッドへ入るもののなんでかこのタイミングで目を覚ましてしまい、ひたすらラジオを聴きつつ、何が落ち着かないのか歯をカチカチと鳴らし続ける始末。

 原因特定できず問題を取り除けないので片付けしながら……あーーー気になる! その音嫌い! 

 となるため、ちまちまと声かけ。

 結局夜遅くまで続いたんですけどね。


 荷物を仕分け、数えきれないほど洗濯を回し、洗いあがったものを片っ端から干し……あっという間に夜。時が経つの早いよぉ。


 ちなみに片付け最中に前回の旅行で持ち物に入れて以来見失っていた充電コードを発見!

 おかえり! 会いたかったよ!!

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たびにっき。9~夏の終わり!? のプール大作戦~ 霜月サジ太 @SIMOTSUKI-SAGITTA

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