胸がおっきくてクズでカスな娘
みかん大福
第1話 誘拐雇用契約
拝啓お父様お母様、そして楽しい学生生活を送っているであろう妹よ、いかがお過ごしでしょうか。(お姉ちゃんは元気だよ😀)
いつの間にか春らしくなりました。其方では桜の花は咲いておりますか。妹は無事進級できましたか。......それはそれは素晴らしい事ですね。
おかげさまで私は元気に過ごしています。社会に出て初めての繁忙期がやっと終わりを告げ、ゆったりとした時間を過ごしています。
さて、春といえば出会いの季節。(←嬉しいですね☺️)
私たち社会人は出会いと別れを繰り返し、大人になっていくものです。そう、例えば一日でパチンコに二十万溶かしたり、気晴らしにコンビニへ行ったら愛用のタバコが売り切れていたり、かと思ったら好きなビール会社の新作が出て買ってみたらクソ不味かったり。まあ、そんな不幸の繰り返しで私たちは大人になっていくのです。
就職面接20箇所お祈りの私にとっては如何ってことありません。......嘘です悲しいです。今更ながらこのブラックな企業で働いていることを後悔している真っ最中です。
それは何故かって?それは......
「死に晒せじゃん!」
「黙れヤリ◯ン野郎ォ!」
「wwwwwwwwwwww!」
オープンカーの後部座席では二人の男性が喧嘩して、その更に後ろは赤いランプを照らしながらウ〜ウ〜唸っている国家の狗が一、二、三......沢山。あ、爆発して少し減った。助手席には爆笑しながら私に拳銃を向けている男性。何この状況って思ったでしょう。如何いう状況かというと、
銀行強盗のお手伝いをしています。正確に言えば強盗犯の乗っている車の運転をしております。ど う し て こ う な っ た
説明しよう!上略中略下略以上説明終わり!取り敢えず今は逃げる事に専念しましょう!アクセル全開でかっ飛ばしていくぅ!......あれ?何でだろう目から汗が止まらないんだ。目の前の信号機が透明な海に沈んでいくの。如何してだろうね。分からないや
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人間って本当に怖い時は笑う事しか出来ない。そういうネット記事を見た事がある。これ
だって朝起きたら目の前に筋肉ムキムキマッチョマンがいて怖すぎて笑いそうになった。昨日の記憶無いし、もう如何にでもなれって感じ
「おやぁ、起きたのかい。よかったねぇあの三人に何かよからぬコトされなくてぇ」
ペストマスクを被り白衣を着ている筋肉ゴリゴリの医者?の男が起きた私に気がついて顔をズンッと近づけて話しかけてきた。それはもう私の顔とマスクがくっ付いちゃうぐらい近くに。怖い、もう笑うしかない
「ア、アハハハハ......」
「? 壊れちゃったぁ?薬の量間違えたかなぁ」
ブツブツと何か言っているが私は何も聞こえないフリをした。だって聞いたら何されるかわからないから。一通り笑い終え、ぼーっとしていると部屋のドアが突然蹴破られ、三人の男が入ってきた
「起きたか?」
「起きてはいるよぉ。けどちょっと精神的に不安定だから気をつけてねぇ」
医者が部屋から出ていってしまった。置いてかないで!気まずい!
「如何するじゃん?これ」
「wwwwwwwwww......」
「
「w!?」
「いえ〜い( ✌︎'ω')✌︎見てるじゃ〜ん?」
「
「wwwwwww」
「だってかわいいじゃん!第一印象良くしないとじゃん?」
「wwwwwww-_-b」
私の目の前には奇妙な三人組がいる。一人は変な仮面(← (ᵔᵕᵔ)こんなの)着けて笑ってるし、もう一人の金髪で小面を付けている男はダブルピースしてるし、最後の一人の般若面を被った男はずっとイライラしてるし。なぁにこれ?
「呆けてるけどコレ本当に大丈夫じゃん?昨日車運転してる時から様子おかしかったじゃん」
「wwww」
「それはそうだな」
「あ、あの「喋れるじゃん!」ア、ハイ」
「急に大声を出すな五月蝿い」
「あァ!?やる気じゃん!?」
「wwwwwww」
イライラしている男が喜芳と呼ばれたチャラ男に怒鳴る。するとチャラ男も反論し、喧嘩が勃発した。その間大笑と呼ばれた笑ってる男は止めずに傍観していた
「あ、アノ」
「「うん(w)?」」
「ここ、何処ですか?なんで私はここに居るんですか?そもそも貴方達は誰なんですか?」
「あれ?覚えてないじゃん?」
「混乱しているのだろう。先ずは昨日の事から説明しよう」
「wwwwwwwwwwwwwwww、wwwwwww!wwwwwww?wwwwww(о´∀`о)」
「お前が説明しても誰も分からんから黙ってろ」
「wwww……(´;ω;`)」
「ちょっと
「ア、う、
「かわいい名前じゃん!」
「ア°」
「あ、堕ちたじゃん」
これがイケボの破壊力、なんて恐ろしいんだ。
認識した瞬間意識が暗転した。が一瞬で回復。起き上がり、チャラ男と目が合った
「なんだ、心配して損したじゃん」
「急に辛辣!?」
「wwwwww」
「ええい、喧しい!説明をさせろ!」
「あ、すいません。どうぞ」
「ふゥ......先ず、私達は君の勤めていた銀行へ強盗に入った」
......あれェ?なんかおかしい所が無かったか今。いや銀行に強盗に入る時点でおかしいのだが、勤めていただって?
「エ、勤めていた?」
「......。」リモコンポチットナ
怒木と呼ばれた男が無言でテレビをつける。そこにはデカデカと私の顔の特徴が鮮明に描かれたイラストが写り出されており、“この顔にピンときたら110番”と“強盗幇助罪”と書かれている
「ア、エ?ナンデ?ホウジョナンデ?」
「それは私達の車運転してたのは君だったから」
まるで体が背景ごとぐにゃあと曲がっていく様だ。あァ死んだ。勿論、社会的に。新卒一年目にして会社クビ、社会的死亡、人生オワタ。なんて綺麗な三段活用なんだ。そもそも何でイラスト?私の顔何で誰も覚えてないの?挙げ句の果てに名前すらも曖昧だ。誰だよ
「公務員になって老後は左団扇の生活をする筈だったのにィ......アアォアオァ......ウ、うゔォえ」
極度のストレス、緊張により胃の中のものを吐き出してしまう。だが出てくるのは消化した食べ物ではなく胃酸だけだった。そう言えば昨日は朝から何も食べてなかった。そう考えると「ぐゥ〜」と腹が鳴る
「続けるぞ。結果的に言えば強盗は成功した。金と薬、どちらも手に入れられたからな。で、逃走する時運転を誰がするか揉めてな。最終的に君に運転してもらった訳だ」
「“誰がやるじゃん?”て聞いた時皆んな君のことを見てたじゃんね。あとおっpがおっきかったからじ(((殴」
「wwwwwwww((((;゚Д゚)))))))」
大笑が“それだけは言うな”と焦っている。喜芳は殴られてのびている。やっぱ不審者は不審者だったか。喜芳は大笑に引き摺られて部屋を出ていった
「君はこれから如何したい?」
「ド、如何って言うのは......」
「君は今や全国指名手配犯だ。帰る当てもないだろう?」
「それは......そうですけど......」
「提案がある。上手くいけば金が幾らでも手に入る」
「ナ、何をすれば?」
「私達の組織に入れ」
「・・・?」
ナニイッチャッテンノ?つまりドユコト?いや入る訳ないじゃん。普通に自首するだろ
「
「ワ......ワァ......ァ......」
ダメだ逃げられない。いや、そうだ逆に考えるんだ。就職だ!就職ができるんだぞ!
思い出せ転身空、辛かったあの就活を、何度見たか分からないお祈りメールを。その反動で大人の遊びに突っ走り、成人後一年で立派な三大カスになったじゃないか
「やります」
「ふむ、懸命な判断だな。ほら、契約書だ。サインしろ」
何処から出したか分からない契約書にサインをする。大丈夫、内容には何も問題は無かった。きっと、多分、メイビー。大丈夫、私はまだ舞えるぞ!ほーら、前の会社より待遇がいいじゃないか
萬屋『アキエド』(以下「甲」という。)と転身空(以下「乙」という。)は、以下のとおり雇用契約を締結する。
第一条 乙は甲の命令に服従します。
第二条 乙は金を積めば大体どんな依頼でも受けます。
2310年3月7日
甲 萬屋『アキエド』
代表者
乙 転身空 印
......良い子の皆んなは契約書の内容をちゃんと読んでから名前を書こうね!でないとお姉さんみたいになっちゃうよ!
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「終わったじゃん?」
契約書を見て頭を抱えていると、無事復活した喜芳と大笑が帰ってきた。するとまたまた「ぐゥ〜」と音が鳴る
「......飯にするか。今日の当番は?」
「wwwwww」
「
「そうなるとと思って俺が作ってやったじゃん!」
「「な(w)ッ!?」」
二人が驚愕し、目を見開く。当の本人は「?」と言う顔をしている
「きょ、今日は腹が減ってないからな。うん、私はいらん」
「www!」
“僕も!”と大笑が怒木の言葉に同調する
「そっか......じゃあ転身ちゃん特別に大盛りにしてあげるじゃん!おあがりじゃ〜ん」
そう言って目の前に出されたのはほぼ真球に近い形の謎の黒い物体。仮称を物質Xとしよう
「エト、この物質Xはなんですか?」
「目玉焼きじゃん!」
素晴らしい笑顔(たぶん)のサムズアップご馳走様です。けどこの物質を目玉焼きと言うのは流石に卵に対して失礼だと思う
「? 鉄球では?」
「何言ってるじゃん。正真正銘目玉焼きじゃん」
「......コレって私がおかしいですか?」
隣の二人に質問する。二人は冷や汗を垂らしながら首をブンブンと横に振っている。折れそう。そうしていると質問した二人がコソコソと喋り出した
『オイ!何故喜芳にキッチンを使わせた!アイツには二度と立たせるなと言っただろうが!』
『wwwwww、wwwwwwww!wwwwwwwwwwwwwヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3』
静かに怒鳴る怒木と“僕には如何しようもできない”と言いたげな大笑。なかなかにカオスな状況だ
「あれ?お腹空いてるんじゃん?食べていいじゃんよ」
「ア......ウ......イ、イタダキマス」
「「!?」」
そんなバカな!と顔で語っている二人をチラッと見て、“どうか私の骨を拾って下さい”という顔をする
「ちょっと待ッ「パクッ」あ!」
こ、これは!
一口、まず感じたのは食感。殻ごと焼いたのかジャリジャリとした不快な食感が口の中に駆け巡り、口内をズタズタに切り裂いていく。次に味、卵本来の濃厚な黄身どころか白身すら苦味と血の鉄臭さに支配されなんとも言えない苦痛に苛まれる。最後に後味、喉越しは言わずもがな最悪の一言。まるでカミソリ刃を十枚一気飲みした様な、正に凶器。食べ終わった後だと言うのにまだ口内に何か残っている様に感じ、満足感はゼロ
結論、不味いと言う言葉が生まれたのはこれが原因である
「薬師寺ィ!急患!」
「今帰ってきたけど呼んだぁ?」
「あれ?砂糖と塩間違えたじゃん?」
吐血と嘔吐を同時に行い、あまりの苦痛に私は意識を手放した。意識を失う最後何か聞こえた気がするが気のせいだろう。気のせいだと思いたい
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筆者はただ書きたいものを書いただけです
趣味なのでご容赦願いたい
ついでに主人公の名前の意味でも
転 うたた→疎ましく
身 み→体
空 うつろ→空っぽ
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