魔法少女カミーダースル

安藤ユアム

第1話 出会いはミラクル! 奇跡の魔女誕生?

むかーし、むかし 世界は混乱に巻き込まれた。


戦いや、差別、病など 世界には闇が蔓延し、暗く悲しい世界であった。


しかし そんな世界に7人の魔法使いが現れた。


その者達は世界の闇を浄化し 世界にまた笑顔や夢、希望を与えた。


平和になった世界からは姿を消し、この魔法使い達は7人の頭文字から取った名前『カミーダースル』として語り継がれていた。



小読町こよみちょう 聖靂学園せいれきがくえん中等部…


時刻は午後6時 部活帰りの学生達がチラチラと見え始め、各々が仲良く談笑している。


その中に、この物語の主人公 黒髪ロングの似合った普通の女の子『星巻ほしまき柚香ゆか』もいた。


彼女の周りには人が集まり、皆 彼女を中心に談笑している。



「じゃあ、私の家こっちだから また来週!」


私、『星巻柚香』 聖靂学園の中等部に通う中学1年生! 今日も友達と楽しく部活ができて しかも今日は金曜日!!ルンルンで下校していた。


「確か、今日は満月の日だったよね 天気も良いし、月見えるかなぁ...」


私がそんなことを思いながら、空を見た瞬間、空で何かが光った。


「なんだろ‥‥アレ 星かなぁ?」



…数分前…


ここは柚香達が暮らす世界とは少し違った いわゆるパラレルワールド 科学では無く魔法が発達した世界。


その名も『マジカミィ』


そんな世界に住んでいる13歳の女の子『大神おおかみ あん』は公園である歴史書を読んでいた。


「世界を救いし7人の魔女カミーダースル...やっぱりかっこいいなぁ 憧れる」


「あたしも...立派な魔女になってやるんだから!」


杏はベンチから立ち上がり、空に歴史書で読んだ 憧れの魔女が使った魔法の呪文を唱えてみた。


「奇跡の力を今ココに 絆の大魔法『リンク・ゲート』!.....なんてね」


「わかってるわよ...あたしなんかじゃ大魔法なんて出来ないなんて!」


そう言って杏が空から目を離した瞬間


上空には大きな魔法陣が出現していて、その魔法陣は周りのモノを吸い込み始めた。


「さて、帰ろ...って あたし浮いてる!? どうしましょ!あたしまだ箒も上手く乗れなかったのにいきなり魔法の才能が覚醒しちゃった!?」


杏が空を確認し、自分が魔法陣に吸い込まれていることに気付いた。


「何あれぇ!? あたし吸い込まれてる~!!」


そして杏は魔法陣に飲み込まれてしまった。



「なんだろ...アレ 星かなぁ?」


その星はよく見ると、こちらに近づいてきている様にも見える。


なんか 近づいてきてる!?


「わぁぁぁぁ! 誰かぁぁ!!」


星じゃない! まさか、人ぉ!?


「わぁぁぁ!! ごぶぅ...」


私は落ちてきた人の下敷きになってしまった。


「いったぁい...何なのよ もう...」


「あのぉ どいてェ おっ...重い...」


「へっ!? ごごご...ごめんなさい!」


私の存在に気づいて、あわてて私の上からどいてくれた。


「あはは...いいよぉ別に それより、ケガとかしてない?」


私の上に落下してきたのは 私と同じくらいの年齢の茶髪が印象的な女の子だった。


「大丈夫だけど...」


「なら よかった!いきなり人が空から降ってくるなんて驚いたぁ」


空から人が降って...アレ? 普通おかしくない?


「空から...まさか、大魔法成功しちゃったってこと!? じゃあ、ここはあたしの運命を変える場所!?」


あっちもなんか混乱してるし...



「ねぇ、あなた空から降ってきたけど 何者なの?」


私がそう聞くと、彼女は深呼吸をして一旦落ち着いて答えてくれた。


「あたしの名前は『大神 杏』 私立スイウ学園の中学一年生よ」


私立スイウ学園?聞いたこと無い学校だなぁ


「私は『星巻 柚香』 えっとぉ 何で空から降って?」


「そんなことよりここはどこなのよ!! あたしの運命を変える場所!?」


また興奮しだした...


「そんな場所かはわかんないけど、ここは小読町だよ」


「コヨミチョウ? 聞いたこと無い地名ね...とりあえず...」



大神さんはカバンから占い師が持ってる様な水晶玉を取り出した。


「連絡いらないと...って アレ?繋がらない?」


何してるんだろ?


「えっとぉ、連絡するなら私の携帯借そうか?」


私が携帯を差し出すと、大神さんは不思議そうにこちらを見てきた。


「それは何? 手のひらサイズの板のようだけど...」


「スマホだよ? スマートフォン!」


「スマホ? あたしの知らない魔道具かしら?」


スマホを知らないって、そんなことあるかな...



いきなりのことで混乱するわね...知らない場所だし、魔水晶は繋がらないし


まぁ でも 優しそうな人に会えたのは幸運ね


コヨミチョウって言っていたけれど、そんな地名マジカミィにあったかしら?


それにこの柚香って子 謎の魔道具を持ってるし、一体どうなってるのぉ...


「えっと、じゃあお借りするわね...」


何よコレぇ、全然わからないわ! 魔力も感じないし


そう思いながら触っているといきなり板が光りだした


「ひゃ!? 何!?何なのよ!!」


驚いてあたしは尻餅をついて転んでしまった。


「だっ...大丈夫?」


「ぜっ全然平気だし!!」



大神さんスマホを知らないみたいだし、もしかして...


「ねぇ!大神さん あなたってまさか...宇宙人!?」


「ウチュウ...それが何だかわからないけれど なんだか馬鹿にされてる様な気がするわ」


宇宙人じゃないのか ちょっぴり期待したんだけどな~


「あたしはいつか立派な魔女になるんだから ウチュウなんたらなんかじゃないわ!!」


魔女? やっぱり変わった子?




「今宵の獲物見つけましたぞ...まさかこの世界にこれ程の魔力を持った方がいらっしゃるとは...」


私達の後ろから誰かの声が聞こえた。


振り返るとそこには、執事の様な格好をした男性が ただ気になるのは男性の背中に鳥の様な羽が生えていることだ。


「誰? 大神さんの知り合い?」


「知らないわよ...でも、アイツからはなんだか嫌な気配がするわ...」


私達の反応に男性は「これは失礼」と謝罪した後


わたくしの名は『グリフォール』 以後お見知り置きを...」


グリフォールと名乗る男性は自己紹介の後、一瞬で私達のすぐそばまで接近し、


「うむ、これはこれは 貴女なかなか良いをお持ちの様で、きっとあの方もお喜びになられるかと...」


いつの間に!?


「逃げるわよ!! 柚香!!」


大神さんは私の手を引き、グリフォールから逃げ出した。



「ちょっとぉ何何何ぃ?」


「柚香 あのグリフォールとかいうヤツはって言ってたわ! 柚香 貴女のキ石が狙われてる!」


「ねぇ! キ石って何のこと? 私何がなんだかわかんないよぉ...」


「貴女 キ石も知らないの!? キ石ってのは魔力の塊よ 身体にそれがあるから魔法が使えるんじゃない!」


魔法!? 私 身体の中になんかの塊があるの!?



「逃がしませんよ...」


グリフォールは先回りしていたようだ。


「こうなったら... 風の力よ今ココに 緑魔法『ウィン』!!」


大神さんは杖を取り出して、グリフォールに向けて魔法?を放った。


しかし、何も起こらない...


「嘘!? いつもなら使えるのに...」


「無駄ですよ、お嬢さん この世界にはマナがありませんから、貴女程度の魔力量ではこの世界で魔法は使えませんよ」


「そんな...」


何かよくわかんないけど、ピンチなんだよね...だったら!


私は大神さんの杖を持っている手を握った。


すると、杖から魔法陣が出現し そこから強風が吹き出した!!


「何ぃ? 魔法が...厄介ですねぇ」


読み通り!


「嘘ぉ!? 何で急に魔法が!?」


「グリフォールが言ってたでしょ? 私の身体にキ石があるって しかも良いヤツ!!」


「じゃあ、柚香 貴女の魔力で魔法が!?」


「そうみたい...」



そうこうしている内に、グリフォールが魔法陣を破壊した。


「小賢しい!!」


大神さんを体当たりで壁にぶつけ、そのまま私を捕まえる。


「捕まえましたよ...さぁ、キ石をいただきます」


グリフォールの手が私の身体をすり抜けて入っていく。


「柚香ぁ!!」


嫌な感じ...なんだか 力が抜けていく...

折角 魔法の才能があったらしいのに...

やっと見つけた私の才能なのに...


「いただきました!!」


私の身体からガラスの様な結晶が取り出された。


そんなのって...そんなのってぇ!!


「私のキ石を返しなさぁぁい!!」


グリフォールの手に握られたキ石が光りだした。


その光に私は包まれる。


なんだか暖かい...力が湧いてくる!!


「何が...起こって...」


光が収まると私は変身していた!?



髪は紫色になっていた。


「変身した? 私の手にあったキ石は!?」


「グリフォール ココよ!」


私は首にかかったネックレスについたキ石を見せる


「キ石を...返しなさい!!」


グリフォールは私に飛びかかってきた。


「これは私のよ!!」


それを私はキックで迎え撃つ!


結果両方とも、数メートル吹き飛んだ。


「この力...ひとまず報告しなければ...」


グリフォールは飛んでどこかに行ってしまった。



「柚香 その姿...」


「う~ん 私も良くわかんない...けど悪い感じじゃない」


「格好良かったわ これにでてくる伝説の魔女様みたいだったわ!!」


大神さんはカバンから『カミーダースル伝説』と書かれた本を取り出した。


「その本の主人公って、何て名前?」


「えっ...だけど」


「決めた! この姿の時の名前は『ケスター』にする!!」


奇跡の出会いと、奇跡の変身!!


そう私は 奇跡の魔女ケスター!!



…続く…

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