第122話

ユキに対して私はどう接するべきか。


感謝と敬意


愚直

誠実

素直

正直


・・・これしかない。


気を惹いてもらおうと、甘い言葉などかけてはいけない。

そもそも、そんな気の利いたセリフなどでてこないのだから。


駆け引きや手練手管など、もってのほかだ。

私にそんな器用な真似ができるか!



私には、スマートさや洗練された振舞いがない。

それは、ユキも知っている。


そういう私にさえ、親切にしてくれることへの感謝は、忘れたことがない。

うまく言葉にできたためしはないが、仕方がない。

・・・私なのだから。



醜くて愚かな自分であるということも、忘れてはならない。

姿は鏡で見て、心はこうやって書き留めた言葉を見て、


「おい、お前、どの面下げてそんなこと言ってるんだ!」


そう、自分自身に向かって言う。

そうしなければ、浮足立った心をしっかりと、

地に足をつけることができないからだ。



私は善人ではない。

だからこそ、ユキに対してだけは、絶対に良心を忘れてはならないのだ。


毎日自分と向き合って、醜い自分に叩き伏せられる。

それでも、なんとか立ち上がって、また挑む。


こんなまっとうな事を考えられるようになったのは、ユキのお陰だ。


ありがとう



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