第82話

特に私のような、特段心が優しいとは言えない男が、人に優しくあり続けるのは、強い決意と、毎日の、自分に対する「宣言」のようなものが必要であると感じる。


人は、最初から強いわけではなく、強くなろうと苦心して強さを得るように、優しさもまた、毎日の地味な努力の積み重ねでしか、優しさを得られないと考えた時、それが腑に落ちた。


強さも優しさも、そうあろうという持続する意思を持たない限り、すぐに消えてしまうのだろう。


ユキに笑っていてもらうためには、私自身がそういう強い意志を持ち続けなければならない。


結局、それが、自分自身も笑顔でいるための最善の方法でもあると思う。


でも、まだまだ私には、君の助けが必要らしい。


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