第65話

窓の外を見ると雨が降っていた。

そういえば、ユキと過ごした数日間は青空ばかりだった。

そのせいか、ユキには青空が似合うと感じている。


青く澄み切った青空を眺めていると、私はふと悲しくなる時がある。

だが、ユキには陽気な笑顔が一番似合うのだ。

彼女がいつも笑顔でいられるために、私は何ができるのだろう?


・・・いや、何もできまい。


彼女の幸せは、彼女自身が自分の手で掴み取らなければならないからだ。


だからこそ、私は何があってもユキの味方でいよう。

そう、決めている。


君は、どんなことがあっても、孤独じゃない。

それだけは、忘れないでいて欲しい。


フフッ

とてもじゃないが、

面と向かってなど恥ずかしくて言えやしない。

この面で、そんな台詞は全く似合わない。

まったく、ガラじゃないな。

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