第40話
素晴らしい物語や映画で、感動しながら泣くオッサンである。
実は、結構感動屋だと思う。
だが、そういう時に感動して流す涙と、現実の涙はまるで別物だ。
不思議なことに、子供の頃から辛くて泣いたことがない。
幼少の頃、母とはぐれて泣いていたことはあったかも知れないが、物心ついて以降、現実の出来事で泣いたことがない。
こうやって、醜い自分と少しだけ向き合おうと思ったのは、現実の出来事で、その人がくれた言葉で、少し涙が流れたからだ。
その時の感情は、素晴らしい映画や物語で感じる感動とはまるで違った。
その時の思いが、私にはうまく言葉にできない。
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