引継転生したんで無双します
千川 悠汰
第0話
みなさん初めまして。佐藤(仮称)です。
なんで仮称なのかと言いますと、前世のお話だからですね。それも7年前の話ですが。
前世ではまあそれなりの商社に勤めていまして、それなりの営業成績を誇っていたんですよ。
失礼、話がずれました。まあそんなある日のこと、帰宅中に開いたサイトのネット広告に【新作MMORPGテストプレイヤー募集中!】というのがありました。これだけなら特に目新しくないというか、興味を惹く内容じゃなかった訳です。
ただ、VR対応という文言が興味を惹きました。この時はVRゲームにハマっていて、作品を漁ったり知り合いから聞き出したりして常に面白いVRゲーに飢えていました。
そんなこんなで募集サイトに応募したところ無事当選しまして。届いたコードでダウンロードし、基礎設定を終わらせて開始したんです。ちなみに、
んで設定が終わってゲームスタート。だだっ広い平原でした。まあチュートリアルに沿って操作方法の確認、チュートリアルモンスターの討伐、町の入り方、ギルドやクエストについて、宿の使用等々…
驚いたのがMMORPGなのにオンラインプレイがまだ出来なかった事です。ただ、ここら辺は運営のQ&Aにありました。ひとまずバグの削除を優先して、製品版と共にオンラインにすると。軽く詐欺じゃないかなとも思いましたがね。
製品版までに戦闘系、生産系のスキルの使い方、ジョブのあれこれを確認してレベル上げをしました。
そしてオンラインプレイ解放日にして製品版発売日。1万人弱のユーザーが集まっていました。やはりユーザー全員が心待ちにしたいのかあちこちでパーティーが作成されていました。私自身他のユーザーに声をかけまくってパーティを組み、攻略を開始。テストプレイでしたが、時間をかけてラスボスも複数パーティーと共に討伐し、裏ボスも倒しました。
レベルも4桁に乗り、生産系もする事がなくなってきたある日のこと。ログアウトしようとしたら目の前が真っ黒になり気付いたら───
───生まれ変わってた。
いや意味わからん!気付いたら赤ん坊だし!
今世はどうやら前世で直前まで遊んでいたあのゲームの世界の中らしい。いや俺も否定したいよ。なんだそれって。
ただ、思い返すと変なことが多すぎるゲームだった。
まず、テストプレイなのにラスボスどころか裏ボスまで討伐出来ちゃったところ。まあ道中が製品版と違いますよならまだわかるけど、だからって裏ボスまでやらせるか!?あれ結構色んなクエストの終着点だったぞ!…いやまあこれだけじゃ足りないだろってのはわかる。
だから2つ目。ゲームの時のスキルの自由度が高すぎた。武器系はバフならともかくオートアタックのスキル中に好きな動きを挟めた事。なんならある回数同じ動きしてるとそれがスキルの動きにされて自動化出来た。魔法系はちょっと面倒で、ほぼプログラミングだった。ただ、既存の魔法からどういう書き方でどの効果になるのかは人海戦術で解明済み。
3つ目、地名が一緒。国の名前どころか村まで一緒だよ。なんで覚えてるのかって?今世の誕生場所はサブ拠点置いてた場所でした。
4つ目、情勢がほぼ一緒。住んでる国───ジェヴァン王国が隣接するダリザグス帝国とめっちゃ仲が悪いこと。反対に帝国を挟んだ向こう側にあるケリールツ教国と仲が良い。ていうかジェヴァン王国の国教がケリールツ教国の宗教っていう繋がりがある。
とまあ4つの点から自由度高いし今世はゲームと似すぎてるしで前世のゲームに転生したっていう結論に至りました。
そういえば今の名前言ってなかったな。
ウィルク・バーチェス。バーチェシズ商会の商会長ディジス・バーチェスの三男だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます