第17話 キャットウォークケイクウォーク


誠一郎からのプレゼントのニューイヤーズコンサートは生で見るととても素晴らしいものだった。音響もとても良かった上にゲストのアーティストとのコラボ演奏もとても楽しめた。


「2人の結婚式はまた生演奏を入れよう」と、暁が言った。


結婚式の準備は、三木と暁にいくつか提案を作ってもらって、それを基にすり合わせをしながら進めていた。音楽などもオリジナルで作っており、結婚式全体が一つのポートフォリオのような位置付けになるのだ。


三木夫妻も実家で過ごすと言う事で、暁も年始は予定が空いており、暁は初めは遠慮していたのだが、2人に強く誘われて皆で蓮の父の実家と箱根に行くことになった。


蓮の祖父は、道場をやっていたということで厳しい方かもしれないと緊張していたが、蓮を見ると目を細めて


「久しぶりだね、よく来たね」ととても優しく穏やかに微笑んだ。そして、婚約者を紹介するとさらに喜んだ。黎明の事情は誠一郎が上手いこと説明してくれたみたいだが、暁が唯一の肉親だということは話してあり、


「いろいろと苦労されただろうね」と2人を気遣ってくれた。

暁も「妹をどうぞよろしくお願いします」と頭を下げていたが、黎明はやっぱり妹なんだ、と思った。


「蓮も早くに母親を亡くして大変だったのに、年相応に甘えるようなところもなくて。心配だったけれどこうして素敵な女性と出会えて本当に良かった。」と蓮の祖母が目を潤ませた。


家には誠一郎の弟家族もきていて、とても賑やかで、黎明は初めてのことが多かったが、とても温かな気持ちになった。


皆で一つの鍋を囲んでの食事は賑やかでとても楽しかった。孤児院にいた頃を思い出して、卒院して行った皆も誰かと温かい食卓を囲んでいることを願った。


夜に箱根の旅館に着くと、蓮が部屋割りを蓮と暁、そして黎明にしたので暁が焦ってしまった。気を遣っているのか、それとも何の気無しに男女で分けたのか分からず何というべきか迷った。


「黎明と一緒の部屋じゃなくて良かったんですか?」と聞くと、


「まだ、結婚してないから」と、言われた。

スイスでは初めは手違いで同じ部屋になってしまったが、そのあとはグループで泊まれるような部屋だったし、この前は無し崩し的に泊まってしまったが、できるだけ避けたかった。


「もしかして、まだ…」と暁が聞くと


「ちゃんと自分なりにけじめをつけたいだけだよ」と蓮は言った。


なんて真面目なんだ。これほど信頼できる男はいないと暁は思った。普通に色気だってある人だ。経験がないのではないとわかる。黎明をただ大切にするためにそうしているのだとわかった。


蓮としては、それくらい待てなくてどうしてこれから先守ってやれるかと思っていた。どうやったら誠実を尽くして大切にできるか考えた結果だった。


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黎明は浴衣が可愛くて1人とてもはしゃいでいた。早速浴衣を着て大浴場に向かった。


大浴場は、源泉掛け流しで露天風呂もあり、モダンな造りで照明も心地よく、とてもリラックスできる空間だった。


人も少なくゆっくり過ごすこともできた。

露天風呂でくつろいでいた時だった。小さな女の子と母親が入ってきた。


女の子は黎明を見ると、

「お目目きらきら」と言った。

カラーコンタクトをしていなかったので、まずかったかなと思った。


母親が

「すいません」と言った。


「どうしてお目目きらきらなの?」

と、女の子が言うと困ってしまった。


「猫さんと同じお目目なのよ」と言ってみた。


「お姉ちゃん猫さんなの?」と聞かれたので


「そうよ」と答えた。大体嘘はついていない。


母親はクスクス笑っていた。あんまり愛想のいいタイプではない黎明は真面目な顔で言うので余計に滑稽で可笑しかったのだ。

「ありがとうございます」と母親は言った。当然カラーコンタクトだと思ったし、会話もユーモアだと思ったのだろう。


そんなにこまめに隠すこともないかなと思った。暁だって髪シルバーだし。


しかし夜、旅館内のバーに3人で行くとやはりだいぶ目立っているように感じた。銀に近い白い髪に金の目の暁、そして金の目の黎明、さらにかなりの長身で体格も良く整った顔つきの蓮。


やっぱり浮いてしまっていた。でも気にしているのは自分だけかもしれないと黎明は思った。2人が一緒にいること、その目の前の2人だけ見ていれば良いと思った。もっと堂々としていても良いのかもしれない。そう思うと気持ちが楽で、より楽しめた。


暁は黎明がカラーコンタクトをして出てくるかと思ったがしていなかったので少し嬉しかった。自分達といる時だけでももっと肩の力を抜けると良いと思っていたのだ。


蓮は黎明の浴衣姿がひたすら可愛いくて、部屋を別にして本当に良かったと思った。


「明日はどうしようか?」と黎明が言った。


「滝が見られるハイキングコースがあるみたいだけどそれはどう?」と蓮が言った。


「いいね、ハイキングコース歩きつつ、人のいない場所見つけてランしよう」と暁が意気込んだ。


「お昼どうする?」


「じゃあ早朝から行って、お昼はどこかレストランで食べて、美術館見て帰ってこようよ」と、暁が提案した。


「朝の森大好き!」と黎明が目を輝かせた。


普通なら体力的に難しそうな提案だったが3人とも大賛成だった。


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早朝といっても、朝食が早くても6時だったので、評判の良い朝食を3人とも食べたくて結局朝食を済ませてから出かけたので、早朝というほどでもなかった。


しかし、雪がちらつくほど寒く所々雪が積もっているところもある中、初心者向けとはいえなおトレッキングコースには人はほとんどいなかった。


「誰もいないみたいだから2人とも走っておいでよ、人が来たらこの笛を吹くから」と、蓮が小さな金属のホイッスルを出した。


「そんなの持ってきてたの?」と黎明が言うと


「旅館のお土産屋さんで売ってた謎の笛だよ」と言った。


「俺はトレッキングコースを普通に歩くけど、俺の居場所はたぶん…わかるよね?」と笑った。


「たぶん大丈夫」と2人は言った。


「じゃあ、また滝のところで落ち合おう」蓮はそう言った。


2人は豹になって駆け出して行った。

黎明が言う通り、朝の森は瑞々しい香りがして、鳥の鳴き声が響いており、とても心地よかった。普段は生活している都内は鳥の鳴き声もこんなに多様じゃないし、土の匂いも、木の匂いもしない、空気の匂いだって蓮でもはっきりとわかるほどに違う。普段どれだけ人工物に覆われて過ごしているのかと思った。自然の中にいると生き返ったような気持ちになる。


静かな森の中落ち葉と小枝を踏む、自分の足音が響く。


キーボードを叩く音も駅の電子音も、うるさい広告を流す車の音もしない。


自分の規則正しい足音。鳥の囀り。

心が鎮まっていく感じがする。


自分でもこんな気持ちになるのだから暁や黎明は普段どれだけ窮屈な思いをしているかと思った。聴こえる音も自分より多く、匂いだって強く感じる。黎明がスイスから帰ってきた時にとても調子が悪そうだったのを思い出す。


いつかもっと静かなところで黎明と暮らせたら良いと思った。


1時間半くらいかけてゆっくり滝に着いた。

2人はまだ来ていないからしばらく待とうと思った。


滝が少し凍っていて綺麗だった。やはりこのくらいの標高では完全には凍らないんだな。


しばらくすると、蓮と黎明が50代くらいの男性を介助しながら歩いてきた。


「どうした!?」と、蓮が驚くと


「滑落して、動けなくなっていたところをお二人に助けられたんです」と男性が答えた。


「かなり身体が冷えているわ」黎明が心配そうに言った。


暁は(大丈夫、見られていない)と蓮に目で伝えた。


「山のふもとの町に住んでいるそうなんだけど、救急車を呼んだ方がいいかな。」


「いや、大丈夫だ。あなた達がすぐに発見してくれて良かった。動けないままで凍死していたかもしれない。幸い足は捻っただけだったのだが、捻った足ではとてもあの急斜面を登ることはできなかった」


「そうですか、本当に良かった、家まで送りましょう」蓮がそう言った。


「ありがとうございます。電波が入るようになったら妻を呼びます」


蓮が男性を背負うと、そのまま4人は山を降った。


道路に出ると、男性の奥さんが車で来ていて、慌ててこちらに駆けてきた。


「貴方!大丈夫なの!?」そう言うと


「ああ、この方達のおかげで助かった。怪我は大したことがないんだ。病院に行っても冷やして動かさず安静にするように言われるだけだろう。」


「そうなのね、本当にありがとうございました。」そう言って奥さんは頭を下げた。


「良かったら一緒に乗っていかれませんか、すぐ近くの家なんですけれど、少しお礼ができるかもしれません」奥さんがそう言った


「いえいえ、僕たちは大丈夫ですよ」蓮はそう言った。


すると、男性が

「妻はこの辺りで割と名の知れたレストランで料理人をしているんだ。年始は子ども達が帰ってくるかと思って食材を買い込んでいたのに孫達がインフルエンザになったからって来れなくなってしまって食材が余ってるんだ。」と、男性が言った。


「お昼、よかったら食材消費のお手伝いと思って食べていかれませんか?」奥さんがそう言ってくださるのでお邪魔することになった。


夫妻の家は素敵な洋館で、男性は画家だと言っていた。家のあちこちに油絵が飾ってあった。


男性は低体温症が心配だったが、家に帰って体を温めると大丈夫そうであった。足はたしかに腫れていたが、男性が言うように骨折ほどではなさそうだった。


奥さんは、家庭で出されるレベルを確かに超えている美味しそうなイタリア料理を振る舞ってくださった。


「名乗るのが申し遅れました、私奥平と申します」と男性が言った。


「妻の清子です」奥さんも続けた。


蓮達もそれぞれ名乗った。


「この度は本当にありがとうございました。お口に合うかわかりませんが、どうぞ冷めないうちに」と、勧められて食事をいただいた。


とても美味しかったので三人とも感動していると、夫妻も喜んでいた。


「どちらのレストランでシェフをされているんですか?」と黎明が聞いて、奥さんが答えたその場所は、黎明が行きたいと思っていたが三が日が休業日で惜しいと思っていたところだった。


「人気店ですよね」暁が言った。


「そうなのですかね」と奥さんは少し恥ずかしそうだった。


「みなさんはどちらから来られたのですか?」奥平さんが聞いた。


「私たちは東京から来ていて、昨日平塚の父の実家に寄ってから来ました。」


「そうでしたか。平塚ですか。では皆さん割と近郊の方だったんですね」


「ええ」


「失礼ですが、皆様は何か救助の訓練などなさったことがおありで?」と黎明と暁を見ながら奥平さんは聞いた。


「彼は警察官です」と暁が蓮を差して言った。


「どうりで、立派なご体格な訳ですね。先程はあの山道をおぶっていただいてありがとうございました。」と言った。


そして、また暁と黎明を見ると

「私が滑落した場所はかなりの急斜面でしたが、お二人は軽々と降りてきたかと思うと、2人で私の肩を担いで、スルスルといとも簡単に登るものですから驚いてしまいました。正直担いだ体勢であの崖を上がろうとした時はヒヤヒヤしましたが、まるで2人で一つの身体のように動いて気づいたらもとの道に戻っていたんです。」


蓮は少し苦笑いだった。


「僕たちは双子なんでチームワークは得意です!」と暁が明るく笑うと


「まあ!そうでしたの!」と清子さんが言った。


「確かに、言われてみれば雰囲気がよく似ているね。髪の色が全く違うので気づかなかったけれど」と奥平さんも言った。


「ではみなさんはご兄弟で?」と聞くと


蓮が

「彼女が私の婚約者なんです」と答えた。


「あら」と清子さんが可愛らしく肩をすくめた。


それからは話題が移ってくれて一安心だった。


「みなさんの今日のご予定は?」と奥平さんが聞くと


「午後は美術館に行く予定でした。」と黎明が答えた。


「あら?三が日はお休みよ?」清子さんがそう言った。


「あれ?そうだったんですか。間違った情報を見てしまったみたいです」と黎明が残念そうに言った。


「美術館と比べたら遥かに見劣りして比べるのも失礼なくらいですが、うちのコレクションを見ていかれませんか?」奥平さんが言った。


「ぜひ拝見させてください」と黎明が言った。


「私が描いたものだけじゃなくてね、彼女の父が収集家でね、そのコレクションもあるんだ。家内が案内しますよ。」


そう言うと、3人は清子によって二階の部屋に案内された。


そこには、所狭しと絵画や、様々な美術品が飾ってあった。


清子さんがなんのタグもついていないそれらの作品をスラスラと解説してくださった。特に夫の作品に対する愛がこもった解説は美術館では決して体験できない味わい深いものだった。さらに、有名な画家の作品もあり、個人の趣味のレベルではないと3人とも驚いてしまった。


「奥平さんは海外に住んでいたことがあるんですか?」と、黎明が聞いた。ヨーロッパ風の街並みの絵画が沢山あったからだ。


「ええ、そうなんです。これはかなり初期の作品で、イタリアの街並みを描いたものですね」と懐かしそうに清子さんは話した。


「夫と出会ったのもイタリアだったんです。画家で食べていくのはなかなか難しいもので、父に結婚するって言いに行った時は決死の覚悟でした。勘当されても仕方がないかと思っていました。」

清子は当時の光景を並んだ絵画から思い起こしているようだった。


「それがね、反対するどころか『お前が食わせてやるんだぞ』って言ったんですよ、信じられますか?」


「なかなか当時は珍しい方の考え方だったのではないでしょうか。」暁は驚いて言った。


「珍しいも何も、とんでもないですよね。私もそのつもりだったので良かったのですが、父に美術収集の趣味があって本当に良かったわ。芸術家が食べていくのがどれだけ難しいか知っていたから。」


「お父様も奥平さんの作品をご覧になっていたのですか?」


「ええ、あの日はね、袖が擦り切れた一張羅に私の肖像画と数枚の絵を風呂敷に包んで担いでいったの。」


「きっと心を揺さぶられるような絵だったのでしょうね。」黎明は言った。



「ええ、それは俺が買うって言って肖像画をその場で買ったの。」


そして続けた。


「そのあと夫が結婚指輪を買ってくれたわ。これを見越していたのかしらね。」

清子はクスクスと笑いながら話した。


「素敵なお父様ですね。」


「ええ、父には本当に感謝してるわ」

そう言って笑った。


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清子さんは絵画の知識も豊富で話も面白く、気付いたら外が暗くなり始めていた。


一階に降りると、奥平さんが何かスケッチをしていた。


「ああ、どうでした?個人の趣味にしてはなかなかでしたでしょう?」と、笑った。本当にその通りだった。


「ええ、驚いてしまいました。清子さんのお話もとても面白く、美術館に行くより遥かに良い経験をさせていただきました。」と、蓮は答えた。


「ははっそれは良かったです。あそこの美術館もなかなか評判が良いからね、またいつか行ってみるといいですよ」と奥平は言った。


何を描いているのかと奥平の周りに集まると、3人ともギョッとしてしまった。


「山猫ですよ、さっきのお二人を見てインスピレーションをもらいました。」と黎明と暁を見た。


(本当に見られていないんだろうな)と蓮が暁に目線を送ると


(大丈夫ですってば)と目線で送ってきた。


芸術家の感性の鋭さは恐ろしいと3人とも顔を見合わせた。



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外に出ると日が落ちていたので、3人は旅館に戻ることにした。


「一部始終を聞かせてもらえる?」と蓮が言うと2人が奥平さんを見つけた経緯を話し始めた。


豹の状態で走っていたら、辛そうな息遣いと人の匂いを感じたので、すぐに人間に戻って、音のする方に向かうと、斜面の下で奥平さんが転んでいたという。


「山道からはかなり外れて走っていたし、感覚をかなり研ぎ澄ましていたから誰にも見られていないことは確かだよ。」と、暁は言った。黎明もうんうんと頷いていた。


「そんなに離れたところでも匂いや息遣いまで聴こえるんだね」と蓮が驚くと、


「東京の街中で同じことしたら頭がガンガンして立てなくなりますけど」と、暁が言った。普段ある程度シャットアウトしているらしい。


「本当に全開で研ぎ澄ましたら目を閉じていても山を走れます」と、暁は言った。


「私はそれは自信がないわ」と黎明は言った。黎明は自分の可能性の全てがまだわかっていなかった。


「東京は居心地悪いだろう」と、蓮は言った。


「さすがに慣れてるけど、自然の中に来ると居心地が相当悪かったことに気付きますね」


「臭いのがつらい」と黎明は言った。


「人の匂いも、みんなストレスで嫌な匂いになってて、私もどんよりしちゃう」と辟易とした顔をした。


「人の感情とかまで匂いでわかるんだね」蓮は言った。


「感情で匂いは結構変わるよね、あと匂いだけじゃなくて、温度とかいろんな他のものでも判断してるかも」と、言った。


「あと、暁に嘘の見分け方も教えてもらったよ」


「昔からある方法だけどね、心拍数は普通は触ったりしないとわからないけど、僕たちは聴こえるからもっと簡単にわかる。心拍数、瞳孔、匂い、温度、全て総合するとその人が本当に嘘を真実だと信じていない限りはわかります」と暁は言った。


「恐ろしいな」と蓮は苦笑いした。黎明の方は凄腕の刑事になりそうだと思った。


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旅館の食事は、評判通りとても豪華で美味しかった。


「今日は本当に充実した良い一日だったわ」黎明は言った。


「ああ本当だね、美術館が閉まっていたのにあんなに美術品を楽しめるとは思わなかった。」と蓮もしみじみ言った。


「なんかそんなに無造作に置いていいのかっていうような作品もあったよね」と暁は言った。


「ええ、そうね。ダリの彫刻とか、恐ろしかったわ」と黎明は言った。


「驚いたのは山猫だよ。俺冷や汗かいたよ。」と蓮は言った。


「芸術家の感性って半端じゃないね。何か感じてたんだろうね。」


「そうね」と黎明も言った。


「まあ、猫っぽいところもあるけどね」と蓮は言った。


「え?本当?」と黎明は言う。


「2人とも、動きがなんか綺麗で、静かで、しっとりしてる感じ。」


黎明は貴族のように綺麗な所作の暁と自分の動きが似ているとはとても思えなかった。


「蓮は大きな犬っぽいよ」黎明は言った。


「確かに、ドーベルマンに似てる」と暁も言った。


「それは警察のイメージ先行してない?」と蓮は言った。


「昔からそうだったよ。シュッとしててなんか強そうな感じ」と、黎明は言った。


「今日大人の男性背負ってあれだけ歩いたのに全く疲れてなかったよね」と暁は言った。


「蓮もたぶん、結構な規格外だと思うよ」と黎明は言った。うんうんと暁も頷いた。


「黎明に子どもの頃から鍛えられたからかな」と蓮は笑った。


想定外のことはあったものの、箱根旅行は3人にとってとても良い思い出となったのであった。

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