モルゴースと五人の息子たちの断末魔

妙遊

あらすじ

(※この作品は賞への応募作品でもあるため、書式として「あらすじ」にネタバレまで含みます。)


第一章 モルゴース

主人公はモルゴース。ブリテン王ユーサーは公爵夫人イグレインを公爵から寝取る。

イグレインの娘モルゴースはユーサーの側近の魔術師マーリンと寝て、ロジアンのロト王と結婚。ロト王の子としてマーリンの子ガウェインを産む。

イグレインの娘モルガンもマーリンと寝て、レゲッドのウリエン王と結婚。ウリエン王の子としてイウェインを産む。


第二章 アグラヴェイン

主人公はモルゴースの次男アグラヴェイン。

ロジアンの王である父が戦争で負けて行方不明になる。キャメロットに恭順の挨拶に来た母モルゴースは勝者であるアーサー王に見初められて、ひと月蜜月を過ごす。母はロジアンに帰ってアーサー王の息子モードレッドを産む。モードレッドはアーサー王軍に連れて行かれ、移送中に死ぬ。

子を亡くして気が触れた母を死なせぬため、アグラヴェインは父のふりをして母と寝る。

母はアーサー王の都キャメロットに行き、行方不明になっていた兄ガウェインをロジアンに連れ帰ってくる。アグラヴェインは兄ガウェインより父の死を聞かされる。母を犯していたペリノア王を父が殺そうとして、返り討ちにされ、父は死んだ、と。アグラヴェインは逆上して母を殺しにかかり、それをガウェインが止める。

騎士叙任のためにキャメロットに行くアグラヴェイン。アーサー王はモルゴースが実は姉であったことを知り、改心して甥のアグラヴェイン達を大切にする。弟ガレスの父は母を犯したペリノア王である疑いがあったが、魔術師マーリンがガレスはロト王の子であることを判明させる。

アーサー王とグウィネヴィア王妃が結婚し、ガウェインは冒険へ。アグラヴェインはロジアンへ行き、母と和解した。


第三章

主人公はモルゴースの四男ガレス。

ガレスは、長兄のガウェインに惚れ、ガウェインに讃美される騎士を目指し、キャメロットへ行く。アーサー王の乳兄弟のケイ卿、ランスロット卿、他ならぬガウェインに大事にされ、見事に冒険で勝利し、馬上槍試合で勝利したガレスは、ガウェインに祝福される。


第四章

主人公はモルゴースの三男ガヘリス。

ガヘリスはキャメロットで、従兄弟のイウェインと会う。イウェインはガウェインのことをそれはそれは気に入っていて、ガウェインとの仲を邪魔するものを威圧して動けない特殊能力を持っていた。アーサー王も同じ威圧の能力を持っている。

ガヘリスはガウェインの従者として共に冒険に赴くが、そこで遭遇したのは、ガヘリスを人質に取り、ガウェインを陵辱する恐ろしい貴婦人たちだった。

マーリンはアーサー王宮廷を出ていく。愛する少女ヴィヴィアンと一分一秒離れたくないと言って。

死んだはずのモードレッドがキャメロットに帰ってくる。そのとき、ガウェインに惚れていたはずの円卓の騎士ラモラックがモルゴースに惚れてしまう。

実家ロジアンに一家は帰り、モードレッドの騎士修行をする。

しかしある日、ラモラックと母が寝ているのをガヘリスは目にし、ガヘリスは母を殺した。母はガウェインの父はマーリン、ガヘリスの父はユーサー王、ガレスの父はマーリンと明かして死んでいく。

母の死だけで気が狂いそうなアグラヴェインに、ガヘリスは出生の秘密を語らないことを選択した。


第五章 モードレッド

 モルゴースの五男。

 海に流されて浜辺で漁師に拾われたモードレッドは男娼にされる。しかし噂を耳にした叔母のモルガンに買い取られ、身元がわかってキャメロットへ。父のアーサー王、母モルゴースや兄たちに会う。

 ロジアンに帰り、母が兄ガヘリスに殺される。だが母は虫の息で助かる。

 モルガンはアーサー王とガウェインが、マーリンによってすり替えられた子供であることをモードレッドに言う。またガレスの子はペリノア王であるともいう。

 母を助けるためには息子の血四人分が必要。モードレッドはアグラヴェイン、ガヘリス、ガレスを殺し、死に際に本人たちに慰めの言葉のつもりで出生の秘密を喋る。三人とも断末魔をあげて死んでいく。

 モードレッドはブリテンの王になり、最後の仕上げアーサー王の殺害にとりかかる。

 最後にアーサー王を殺し、モードレッドは元気になった母に再会する。新しい兄弟を得るため母と寝る。

 しかし母はモルガンが変身していたものだった。モードレッドは激しい痛みに襲われる。

 モルガンは、イグレイン・モルゴース・モルガンはブリテン三女神であることを明かし、生まれ変わりにブリテン王の血が必要という。

 モードレッドは殺される直前、一緒に積み込まれた死体が愛する兄ガウェインであることを知り、断末魔をあげる。

 モードレッドは女神の生まれ変わりのためのブリテン王の血として湖に投げ込まれる。

 アーサー王もまた、己の母がモルゴースであることを明かされ、断末魔を上げ、ブリテン王の血として湖に投げ込まれた。

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