ニートなのに、ガチャガチャ景品にされる

第1話

私は仕事をしていない。なんでしていないのかと言うと、普通に職探しが面倒なのだ。だからやらない。あと、人付き合いが苦手ってのもある。

それにアルバイトとかに応募をするにしても履歴書作成したり、履歴書に貼付する写真を撮らなきゃいけないし…そういう段取りが本当に煩わしくて嫌い。もちろん、それが仕事をする上で当たり前のことなのはわかっている。でも嫌。

地元のハローワークにも行ったが「何がしたいのですか？」とハローワークの職員から問われた時に特に何も浮かばず「これといってやりたいことは無いです」と答え、何も進まず今に至る。

そして、今日もフラフラと意味もなく、ただただ街を出歩く。すると、一台のガチャガチャが目に入る。見たことある人になんか似ているなと思い、ガチャガチャの筐体に近づく。

「…ってこれ！私やん！なんでや！？名前(本名)もガッツリと載っているし！」

その筐体には、私以外はテレビに出ている俳優や国内外で活躍しているアスリートの人たち。明らかに場違い感が否めない。

そもそも、このガチャガチャ景品が許可されているのか分からない。ちなみに私は全く知らなかったので、たぶん他の人たちも無許可。

筐体に書かれている番号に問い合わせる為に電話を掛けたが、番号が使われていない模様で繋がらなかった。誰が何の為に作って、ここに設置したのか本当に謎。

「あと100円設定は安いからいいけど、なんか景品にされている側で見ると複雑…」