「すずは」さんは、名探偵 2

鬼塚 夢

第1話 夜の訪問者

金曜日の夜9時40分少し過ぎた頃 扉を叩く音がした。五十嵐は (今頃 誰なんだ。)と思いながら扉に近づき声をかけた


五十嵐「誰ですか?探偵事務所は 土日です」と答えた。 すると「下のー。依頼だよ 依頼。助けてくれ 俺にはさっぱり」

と 少し慌てた様子の男の声だった。


五十嵐は 下の と聞いた時 あーカフェのオーナー?と 思った。まだ 会ってはないが すずはさんから ウェルカムな人だよ とは 聞いていた。


まかないも食べるわけだから 五十嵐も 笑顔で 迎え様と 「ちょっと待って下さい」と 戸口を開けた。 


そこには 歳の頃は 50代半ばの 坊主頭に アロハシャツ。柄はーヤシの木がいっぱいと 亀がいっぱいのピンクをベースのド派手なアロハシャツ。


下も派手目の緑をベースのよくわからん柄の短めのガウチョパンツだった。とにかく 上下柄柄で、革靴だった。(いゃ〜そこは サンダルとか、雪駄)「でしょーよ」と五十嵐は つい呟いてしまった。


オーナー「にーちゃん」

五十嵐「五十嵐です‼️」

オーナー「お、お、五十嵐…くぅ、ん」

五十嵐(江戸っ子かよ)「はい!で」(笑顔)


オーナー「で、じゃねーんだよー。花ちゃんの、でー事大事な彼氏が居なくなったらしんだ。携帯かけても 出ねーし、店にもいねー 店ってのが ホストクラブらしいが その彼氏は そんじょそこらのホストと違って花ちゃん 一筋だった」


五十嵐「依頼ですか?」

オーナー「あ、まーそうなるな!頼めるか?花ちゃんは チト 今の子にしちゃー うちに秘めた 何かがある子だが 良い子なんだ 助けてやってくれ」


五十嵐「探偵事務所は、土日なんですよ 明日 社長が 来るので 話ときます。」五十嵐は事務的に 話した。一応 笑顔で。


オーナー「にーちゃん!もーちっと 人間味が ねーと あんた人生渡って行けねーぜ 頼んだよ にーちゃん」と,言ってオーナーが去ろうとした時 


五十嵐「オーナー。明日は、そのスタッフの方も一緒に お話聞かせてください。後 俺、五十嵐です」


オーナー「あー五十嵐のにーちゃんやったな!べらぼうめー。わかっとるわ」 

五十嵐(やっぱ 江戸っ子だな)と思った。


オーナーは 後ろを向き階段を降り始めた。その後ろ姿に 五十嵐は 笑いが込み上げた。坊主の後ろ頭に うさぎの顔をデザインしたカットに 後ろ向きにサングラス🕶️をかけていた。(おい おい どこの美容室で そのカット出来んだよーー。ある意味すげーなー)なんか キャラ凄すぎ 濃ゆいわ!と思いながら 扉を閉めた。


次の朝 すずはが 9時に事務所に来た。 五十嵐は、掻い摘んで昨日の依頼の件を話した。


すずは「わかったわ、早速 足取りや事情聴取に 取り掛かるわ ちょっと待って

」 と 言い残し奥のよくわからん部屋に入り十数分して出てきた。 


五十嵐が 振り返ると

五十嵐「又 ですか!俺 横歩けないっすよ」五十嵐は ため息をついた。(俺むーりーー)


すずは.は メイドカフェのコスプレに変身していた。


黒のふわふわのワンピース に白レースばりばりのエプロン 、頭にはピンクのカチューシャ 、黒のチョーカー 腕にはカフス 片太ももにはガーターリング 黒のハイソックス 、そして すずはの真面目な眼差し。


すずは「何言ってるの 今度の依頼は 下のまかないカフェのオーナーよ 真剣に 取り組ませていただくわ」 五十嵐は そっち?真剣さがずれとる と 苦笑いをした。


下のカフェに 行くのは すずは.は 3度目 五十嵐は 初めてだった。中は ボサノバの落ち着く音楽が 流れ ハワイに来たかの様な雰囲気の店で カウンターに椅子が6個 ボックスのテーブル席が 3つの小ぢんまりした 落ち着く感じだった。  


すると オーナーが 「へいらっしゃい 何にしやしょう」と こっちをカウンター中から 見た。すずはと五十嵐は (寿司屋??)と 思ったに違いない。

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