報復

しかし、実は女子にバレていたのです。




着替えている内の女子の一人は気付いていました。


そういえば、端にいる女子にバスローブの上から注がれる視線を察して身を隠して着替える女子が居ました。




覗きが発覚して間もなくそれは周知のものとなりました。


その事実は女子達の間で驚くべきスピードで伝達されていきました。




何故か隣のクラスの女子までそれを知っていて廊下で通りすがりに




「覗きの男子や」




と耳打ちされました。屈辱的でした。




それだけに留まらず職員室に呼び出されあること無いこと言われキツく先生から叱られました。




「盗撮していたんだろ白状しろ」




そこで僕達は他クラスの男子に盗撮したチェキを売り捌いていたことになっていました。


そしてその事でまた先生達にこっぴどく怒られました。


そこでまた屈辱を味わされました。






それから少しして。


クラスの女子達が小声でこそこそと何か話しをするようになりました。




「覗き返してやる」




と言っているのを耳にした男子も居ました。


何だろうと思いながらもその時は見過ごしていました。




ですが、僕たちはまだ知りませんでした。

女子達の恐ろしい報復が待っている事を...




今度は女子の反撃です。女子が覗いてきたのです。




プールの時間。


僕達はまた覗きをしていました。その時にはもう覗きが中毒になり止められなくなっていたのです。




数人の女子が教室の真ん中に集まって来ます。


そして、いつものように着替え始めました。


男子達は覗きに釘付けです。既に覗きの虜とされていました。




女子は、バスタオルの繋ぎ目の隙間を人差し指と中指でチラッと開けて、出来上がった空間から、


窓枠によじ登り立ち上がった男子の目の前に来ている股間を覗いて来ました。




欲望に逆らえず膨む部位のその反応を見て指差し




「お前らの負けやな」




と嘲笑いしました。




身体の中で最も繊細で脆い箇所を遊び心で弄ばれるそれがどれ程残酷な事か女子は心得ていたのです。


僕達は敗北感を味わいました。




そして囮の女子は離れて端の方へ行きバスタオルに身を包み着替え始めました。


これは見世物だったと知らしめる為です。


そこでまた更に屈辱感を味わいました。




女子達の巧妙な戦略を用いた逆襲に遭い完全なる敗北に喫したのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る