少数派男子 対 多数派女子

光宙

反撃

男子3人女子30人のクラスで僕は高校生活を送っています。


僕はこのクラスで少数派側に属する男子です。


僕たちの存在は除外されてきました。


少数派に回ったが故に実に多様な迫害に遭ってきました。




例えば次の授業が体育で衣服を着替えなければならない時男子はトイレで着替えさせられました。


その度に僕たちは階段を上がって踊り場の横にある男子トイレまで歩いて行かなければいけませんでした。


男女交互に教室を移動して着替えるという選択肢は元から無く教室は決まって女子のものになりました。




「男子少ないんやからしゃーない(仕方無い)やん。」




それが女子の言い分でした。




女子の要求はエスカレートしていきました。




昼休みに教室でご飯を食べていると女子が目の前で着替えはじめました。




当然僕たちは抗議しました。




すると、女子達に鋭い剣幕で睨まれ




「見んなやヘンタイ」




「先生に言うぞ」




と罵られ一蹴されてしまいました。


僕たちは反論出来ず苦汁を飲みました。




次の日職員室まで行って先生に更衣室の増設を要請しました。




事情を説明して




「僕たちは着替える場所が無くて困っています。お忙しいところすみませんが着替える為の教室を確保して頂けないでしょうか。」




と男子3人で頭を下げてお願いしました。




ですが、先生達は真面目に取り合ってくれずその場で面白半分に笑って見過してしまいました。




僕達は反撃に出る事にしました。


女子達の着替えを覗いてやる事にしたのです。




プールの時間。男女共に教室で着替えます。




教室は真ん中がバスタオルで区切られていてすぐ隣からキャッキャッと黄色い声が聞こえてきます。




(先生に取り合った後、実はあれから職員会議に掛けられてバスタオルを繋ぎ合わせた巨大な仕切りが支給される取り決めが約束されました。)




服を脱ぐバッバッという衣擦れの音、微かに聞こえてくる恋バナ。




その安堵に満ちた声に目配せし来たるべき勝利感の確定に頬を緩めました。




窓枠に足を掛けてよじ登ります。


他の男子は下で支え役になり構えます。


そして、バスタオルの上から向こう側を覗きました。




狙った通り女子は着替えていました。


覗かれていることに気付ずかず着替え続ける女子達を横目に僕達は勝利感に浸りました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る