　世間は狭いというか。

　まさか協力してもらったミカが学校に復学させることができる人間とは思ってもみなかった。

　組む時にネットで手に入れられる情報と紹介してきたアカリン本人からどういう人間かは聞いていたが、まさか祖父が複数の学校を運営する人間とは。

「きたね。対価はホストの炎上の件が静まるまででいいね」

「おおよそ１週間くらいだよな。それで構わないよ。それにしても俺なんかが配信してそこまでそっちにメリットはあるのか？　ただの一般人だぞ」

「世の人はそう思ってないからね。告知した時から偉い反応あるし。あ、配信に出る理由は健太のせいで全財産無くなったからお金を稼ぐためってしといたから合わせてね」

「わかった」

　今回のことはミカの機嫌次第でどう転ぶかわからないので、あまり期待すぎていざ思うようにならなかった時に備えて「そんなに思い通りにいかないかもしれない」とそれとなしに示唆して保険をかけると、ミカは断言する。

　この様子なら配信者としての自信を持っているようだし、そんな癇癪は起こすような気分屋なタイプじゃないか。

「それじゃ配信始めるよ」

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