恵比寿妄想パパ活日記

灰糠

前書き_パパ活を眺めながら

 筆者は欲望とビールの街、恵比寿に住んでいる。

 都会の中心特有の自信に満ち溢れたキラキラした人種があふれるこの街は、夜になるとビールジョッキ型の街灯が男女を照らし出す。

 大手企業のスーツなメンズ、スタートアップのギラギラした若者、そして綺麗なお姉さんたち。

 大きな犬を連れたセリーヌ。

 小さな犬をたくさん引き連れたバレンシアガ。


 この街の住人と対照的に、殆ど家に篭って仕事かゲーム、もしくは高円寺か歌舞伎町で呑んでいるド陰キャなルックの筆者。

 2年程この街で暮らしているが、未だに街ゆく人々の視線が「ここは貴様の様な奴が居ていい街でない」と告げてくる。

 先日も散歩がてら寄ったガーデンプレイス最上階の喫煙所前ですれ違ったマダムから虫をみる様な目で見られた。

 マダムの目は確実に言っている。

 「去ね」と。


 そんな中で肩身を狭くしながら街を歩き、立ち飲み屋でしみったれたおじさんに混ざってしっぽり飲むのが、最近大好きになった。

 陰キャの自虐心を満たすドMプレイな毎日はそれなりに楽しい。

 



 本題だが、恵比寿はパパ活が多い。

 駅前の繁華街やガーデンプレイス、住宅街のコンビニ前まで様々な場所で毎日のようにパパ活に遭遇する。 


 それもそのはず。

 恵比寿は女子ウケする小洒落た飲食店が多く、さらにパパ活の総本山(と勝手に思っている)「ガストロノミー "ジョエル・ロブション”」なる高級レストランがある。

 映えを狙う女性と、施す事でチャンスを得たい男性が集まるのは必然なのかもしれない。


 この文章を書く直前、街中でパパ活中であろう男女と遭遇した。

男女の服装や雰囲気を見ながら「どんな人物なのだろう」「どうやって出会ったのだろう」などと考えていたが、リアルなストーリーはタワマン文学を読んだりX(旧Twitter)のP活女子のアカウントを見れば良いのだ。

そこにリアルがある。はず。


 なので、酒を飲みながら2人のストーリーをでっちあげてみる事にした。

 それが本作である。


 この作品は、筆者が恵比寿の街で見かけたP活中の2人の風貌をベースに即興で思いついた物語を書く短編集だ。


 パパ活の2人は作者の気分次第で異世界に転生させられたり、デスゲームに参加させられるかもしれない。

 恋に落ちてラブホテルに向かうが、そこでゾンビの大軍に襲われるかもしれない。

 

 そんな物語を作るため、スターバックスでMacを広げるキラキラした若者を横目に、筆者は趣のある居酒屋でハイボールを飲みながら筆を取っている。



 ※本作品は個人を誹謗中傷する意図はありません。

 あくまでキャラクターのイメージソースとしてモデルとなった人物を使用しているだけの、ファンタジー作品です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る