第10話 負債と純資産=自らの血肉となるや否や

貸方は人間性、借方は社会性


 この貸借対照表の意義はまさにそこにあるのですが、借方における資産すなわち社会性として計上できる財産の根拠となる人間性の出どころが負債なのか純資産なのかということは、その時点のその人を見ていく上で重要な論点となります。


負 債 = 後天的に人から与えられたもの

純資産 = 先天的なものはもとより、後天的であれ自らの血肉となっているもの


 一度負債として入ってきたもの、他者より与えられた、もしくは自ら何らかの手段をもっていったん手にした情報や経験を、いかに自らの財産と言えるべきものへと昇華させられているかどうかが、損益計算書で示されるべき他者とのつながりや自らの行動の中での「売上」というべきものに大きな影響を与えてくるのです。ただの借り物状態のモノよりも自ら身についたモノの方が効率よく、しかも効果的に売上を上げていくか経費すなわち労力を節減できるか。そのことをこの地点で大きく問われることになるわけです。


自ら得たものでしか身につかない = ただ教えられたものは身につかない


 そのことはまさに、貸借対照表の負債欄のまま推移するのか、それとも純資産として自らの財産と計上できるだけに昇華しているものなのかが問われているのだ。

 そこはまさに他人がどうこう言って何とかなるレベルのモノではなく、自らの人間性が問われる部分であるということをかくも如実に示しているのであります。


 今回はちょっとケーススタディーというより貸方の負債と純資産の関係を改めておさらいする形で述べさせていただきました。

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