最初の魔法使い

プロローグ

能力によって得た絆も魔法によって色づいた毎日も呪いによって決まった人生も

全ての始まりと終わりは最初から決まっている。

最初になった『者』たちは言った。

『俺は理想を追って、現実を見た』

『私は現実を望み、理想に失望した』

再び現れた『者』たちは言った。

『俺は現実を無視し、今を見た。』

『私は今を見て、現実を思い出した』

最悪を焼き付けた『者』たちは言った。

『私は自分を信じて、仲間を失った。』

『僕は仲間を信じて、自分を見失った』

最強になった『者』たちは言った。

『私は目が覚めたら、神様だった』

『俺は気が付けば魔王だった。』

最後になった『者』たちは言った。

『ここで終わらせるつもりだった』

『ここから始めるつもりだった』

ある一人の、『最後になった者』が

ある一人の、『最初になった者』を元にし、作り出した物語。

全てが定まっている始まりと終わりの終着点を、今。

手をかざした『者』が作り出す。

『能力』を、一人の人間に作り出す。

全ての始まりはそこから…