君は色と踊る

ラグランジュ

第1話 色の使い手

 なんか楽しいことないかな?日々同じこと繰り返しだな。仕事も恋愛も友達付き合いも何もかも中途半端な俺。


 季節は春、肌寒い、でも桜を見に来る人達で賑やかなはしゃぐ声が聞こえてくる。俺の住んでいるアパートはリバーサイド(ちょっとカッコよく言ってみた)


 休みの日は朝遅く起きて、最初にビールを。出窓の外は賑やかだ。リバーサイドに咲く桜を見に?それともお店の団子🍡が目当てなのか。


 退屈って仕事してるより辛い。眠い…起きてすぐビールってのも体に良くないな。


 さて、飯でも用意して…あ、立ちくらみか…

起きてすぐビールは…




………………………………………………………




 痛っ!!何だ?転んだのか?足腰鍛えないとな、若くないんだな…ん?


【さて、お主の色は…ふーむ、グレーか】


 なんだ、この爺さん。勝手に人の部屋に入ってきていきなりなんだよ!!不法侵入だろ!!


【じゃ、面倒な説明は後じゃ、それ!!】


それ!!って、何?


とか、不法侵入だって!!






………………………………………………………




【おい、急げ!!この地区は撤退だ!!!】


爺さん、俺を突き飛ばしたな!!


【貴様、何やってる!!撤退しろ。来るぞ】


来る?何が?


あの…そんな物騒なもの持ってるあなたは?


ん?背後に?


うわー!!潰される!!!!!


もう、終わった…なんかに踏み潰された…


※キーン!!※


あれ?痛くないや…つまらない人生だったな。


おっ?感覚があるぞ。幽体離脱ってやつか?


【おい!大丈夫か?早く逃げろ!】


おおっ!映画の中から飛び出したような剣士。


そのモンスターの攻撃を防いでるじゃん!!


カッコいい。


【逃げろと言ってる!!】


いて!!もう蹴ることないだろ。


一体何から逃げるって?


悍ましい姿の…やべ、ビビって動けないや。


情けないな、俺。


 あの剣士、こんなモンスターみたいのを相手にしてたのか。


【あっ、くそ!!こっち来いお前!!】


 咄嗟に森の中に隠れて。この剣士に首根っこ掴まれて、凄い力だな。情けない俺…


【大丈夫だった?見つからないように暫くは…お前何処から来た?】


鎖帷子を脱ぎ、兜を取り、おっ、女性?


 な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、な、なんという綺麗な…


【その目はなんだ。女剣士で悪いか!!そもそもここに居るってことは、さては、お前もグレーだな!!】


グレー?


確かに、汗かいてはいるが、俺の服は白だが?


【解らないか…仕方ない。それよりお前は特化した能力はないんだな。ならば、私と同じ剣士ってことだな。生き残る為には】


生き残るとか、もう訳わからないんですけど。


それにしても、この女性に惹かれるな。


 スタイルも抜群、ちょっといろいろ聞こうかな?あっ!!


【伏せろ!!静かに!!!】


この女剣士に頭を押さえつけられて、


地面にひれ伏せて、イテテ…こんなのばっか…


おや?


向こうに見えるのは?


【動くな。我慢しろ!!】


 数千の武装した集団と、さっきの恐竜みたいの…


 夢だよな?これ?早く覚めてよ、こんな怖い夢なんて嫌だよ。何なんだ?










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