ラブコメと現実は違うのだよ
ほのお
第0話 これが現実
ラブコメと現実は違う。
そのことに気づいたのは、僕が小学六年生の頃だった。
当時の僕は小学生にして、ライトノベルやラブコメばっか読んでいた。
そのせいか、僕は周りから『変人』と呼ばれるようになってしまったのだが……
まぁそんなことは置いといて、なぜライトノベルやラブコメを読み漁っていた
この僕がラブコメ展開なんてものは存在しないということに気がついたのか。
それは当時僕の親友だった男の子が原因である。
別にそいつが性的暴行などをしたわけではない。むしろ可哀想なくらいだ。
その男の子は所謂隠れイケメンというものだった。
そして僕の通っていた小学校にはとびっきり可愛い女の子がいたのだ。
いきなり親友は放課後、その女の子を呼び出して告白をした。
自信がついたのか、長い髪を上に上げて顔が見えるようにして。
その光景を僕は物陰から、温かな目で眺めていた。
僕が知るラブコメならこのままその女の子が、
『えっ?! ◯◯君かっこいい! 付き合って♡』
となるのだが……
その女の子の口から発せられたのは、
『確かにかっこいいとは思うよ? でもね? 今更顔を見せても陰キャなのは
変わらないでしょ? 私明るい人が好きなの』
と、いうものだった。
案の定親友は膝から崩れ落ち、僕が励ますことになってしまった。
そして後にその告白劇を見ていたその女の子の自称近衛隊によって、
あの高嶺の花に告白して玉砕したという話が学校中に広まり、
親友は引きこもってしまった挙げ句、遠いところに転校してしまった。
というのが僕が小学六年生のころの話だ。
この出来事のせいで、僕はラブコメ的な恋愛がしたいという夢を捨て、
現実的な恋愛がしたいと夢見るようになったのだ。
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