第30話走る
俺は走っていた
なぜか?
俺の彼女である山田薫を探しているためだ
ではなぜ探しているのか?
家に帰ってもいなかったからだ
ではなぜ汗をかいて足がもつれてもそれでも必死に探しているのか?
林道空と話したことで気持ちを今すぐにでも話したいと思ったからだ
では俺はかおるのことを好きなのか?
答えは分からないだ
好きって気持ちになることが分からなくなっている俺からしたら分からないんだよ
では話したところでなにか変わるのか?
そんなものは分からないがきっと変わらない
ではなぜ話そうとするのか?
自分の気持ちを知ったから
好きだって確証もないけどなんとなくいやだから
では今どんな状況だ?
息切れをしながら走っているから視線がぐにゃぐにゃと曲がっている
とおせんぼしてくるいろんなものを俺は避けていく
段ボールやいろんなものが邪魔をしてきてきちんと片付けをしろよと思った
そいつらをジャンプしたりして避けるから余計につかれる
自問自答しながら俺はようやく彼女に再会を果たす
彼女は尻餅をついて倒れていた
きっと疲れてしまったのだろう
そんな彼女に俺は手をさしのべる
「だいじょうぶか?」
「うんだいじょうぶでもありがとう」
彼女は俺の手をとってくる
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