第12話偽のデート
山田が腕を真っ直ぐに挙げて勢いよく投げる
そのまま勢いよくガーターへ
「……ネタか?」
つい俺が口にしたことばを耳にして山田が真っ赤な顔で
「仕方ないじゃんボウリングをやったことなくてなれてないんだもん」
「はいはい分かってますよ」
「なによその言い方むう」
めちゃくちゃ膨れっ面で俺のことをにらんでくる彼女を見て俺はああ負けず嫌いなんだなと思った
「それじゃあそれぞれ一球は投げたし動画を編集するか」
「いやよ」
その言葉が俺には意外で
「どうしたんだ」
「だってまだ納得言ってないもん」
「……本当に負けず嫌いなんだな」
「悪い」
俺はなぜか笑いが込み上げてきて笑ってしまう
「いやそっちの方が良いとすら思うね」
「そうなら勝負しましょう」
「ああしよっか」
そして俺たちはワンゲームまで楽しんだ
結果は俺の負け
いや俺が勝ったらもうワンゲームさせられるかもと思ってな
俺たちは動画を編集して公開したらこんなコメントがついていた
『ヒューかっこよすぎるだろ』
『つうかこんな顔だったんやな』
『本当に美男美女だったとは』
『オタクカップルの星』
『それぞれの性格がボウリングのやり方に出るの面白いな』
『可愛ければそれでええやろ』
スクロールをしていく
「まあ二つ目の動画にしては好評ね」
「話題になったタイミングで動画を出したのが当たりだったんだろうよ」
「いいえわたしの手腕のお陰よ」
「ああそうかい」
「それでこの可愛ければそれでええやろってどちらのことを言ってると思う?」
「そりゃ山田だろ」
「たぶん違うと思うわ」
「いや俺だって行いてえの?」
「うん」
「うんじゃねえよまずあり得ないって」
「あり得るかもしれないじゃない」
「絶対に違いますう山田の方が可愛いですう」
「あなたのほうがかわいいわ」
なぜかどちらが可愛いかっていうしょうもない理由で張り合うことになった二人
なにをやっているんですかね
俺たちはボウリング場を出て
「それじゃあ次のデートはカフェにするか」
「ええそうしましょう」
「でもその前に疲れたんやけど」
「それにボウリング場で動画の編集をそのまんましたからめちゃくちゃ注目されたしね」
「まああれは元々話題の二人だからってのもあるやろうけどね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます