第8話盗撮

俺は盗撮をされていることに気づく


気づいた理由はいたってシンプルで違和感があったからだ


廊下を通るときにスマホを触っていたのだがそのスマホが少しだけ俺たちの方に傾いていたのだ


そしてそのスマホをもっていた腕を俺はつかみ


「お前なにとってんだ」


「別にいいだろうがおれだけが撮っているだけじゃないんだし」


そういって逆ギレしてきた男に俺はこう口にする


「ああ撮ってるのは認めるんだな」


「あっいや違う偶然」


「今さら遅いわ」


「くそ」


男は逃げ出す


だがもちろん俺が逃がすわけもなく


「すいませんそこの人を捕まえてくれませんかあ」


大声でそう口にすると周りの人たちが口々にこんなことばを口にしていく


「話題の写真だけどやっぱり盗撮だったらしいよ」


「うわあさいてい」


「それであの人が撮ったから捕まえなくちゃいけないんだって」


写真を撮ろうとした男を取り囲んでいく


そしてその人たちのなかで俺から目をそらした奴らがいた


恐らく写真や動画を撮った人たちなんだろう


「くそくそおまえらだって写真を見て笑っていたんだろうがそれなのになんでおれだけ」


「うんそうだよでもそれが盗撮だと分かったらダメだと思うに決まってるじゃん」


「そうそう盗撮だと知っているのと知らないとじゃ全然違う」


……そういうわけではないとも思うが捕まえようとする時点で撮っていた人たちとは全然違うな


「それじゃあ締めに写真や動画を撮ろうとしていたあんたら四人の方が悪いよなあ」


俺は俺の電車の前のせきにいた男女四人に対していう


そう座席からスマホを通して写真や動画を撮っていたのだ


それもグループで


「写真や動画を撮っていたアカウントをみたら全員が繋がっていることを知った時点で怪しいと思ったよ」


「ああそうなんだつまらないの」


「まあここまでやれた時点でいいやろ」


「やりすぎだったね」


「話題になった時点でやめるべきだったな」


なぜだか冷静な四人を見て不気味に思い


「なんでそんな冷静なんだよ」


「だってどうでもいいもん」


はあ狂ってやがるまあでも良いや


どうせ捕まえて終わりだし


そう思い俺は四人を捕まえたあと駅に降りるまで駅の運転手に伝えて駅に一旦降りてから警察に五人を渡した


未遂で反省しているということで一人は許されたというか最初から見せしめでしかなかったので反省してくれたらそれだけで良かったしな


そもそも警察に渡すつもりはなかったてこと


だが他の四人は罰金を取られることになるのだった

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