天川裕司

タイトル:声


夜、勉強していると、どこからともなく声がする。

何か恐ろしい声。

「………」

ふと勉強の手をとめて、その声がする方に耳を傾ける。

「…なんだろ…」

女の声?この世のものではない女の声…?

すると私の部屋の扉がギィ…っと開き、

「……ひっ…」

と思っている私の目の前に、

白い姿をした女が現れた。


「(…あ…あ……)」

怖過ぎてこんなとき声が出ない。

その女の霊は、私に向かって何か言ってたみたいだ。

ゴニョゴニョゴニョゴニョ…

何を言ってるのかよくわからなかったが、

何かこれ以上ない恐ろしい言葉のように聞こえた。


でも次の瞬間、私の口からも

ゴニョゴニョゴニョゴニョ…

と何かこれ以上ない

恐ろしい言葉が出ているように思った。


そして心を澄ませてみると、やっぱり私は何かを喋ってる。

そのとき全部わかった。


「声は私の心の中から聞こえてたんだ…」

つまり自分がその幻影を作り上げ、

怖い霊のようなものまでを作り上げていた。


と思った途端、案の定、その女の霊のようなものは

同化するように私の中に入った気がした。

そして平常に戻る私。


「フフ、勉強のし過ぎでノイローゼ気味にでもなってたのかなぁ」

ふふん♪と笑ったあとふと見ると、

扉は開いたままだった。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=FXaPDepdtdg

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天川裕司 @tenkawayuji

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