第15話「睾丸スキルを世間に広める!」
前回の自己啓発セミナーを経て、タマオはますます意気込んでいた。自身の「睾丸スキル」を「ポジティブエネルギー」と表現しようと努力してきたものの、スキルの本質を隠すことに抵抗があった。そして、彼はついに決意した。
「俺はもう遠慮しない!」とタマオは叫ぶようにリョウと美沙に宣言した。「俺の睾丸スキルをありのまま広めるんだ!」
リョウはコーヒーを吹き出しそうになり、「お、おい、本気か?今までの騒ぎを忘れたのか?」と慌てた声で問いかけた。(やばい、また面倒なことになる予感が……)
「そうだ!」タマオは力強く頷いた。「俺は自分の本当の姿を隠して生きるつもりはない!俺の睾丸スキルの真の力を、世間に広める時が来たんだ!」
美沙は少し困った顔をしながらも、「でも、タマオくん……そのまま広めると、またみんながびっくりしちゃうかも……」と優しく諭した。(もう少しやり方を考えられないのかな……)
「だからこそ!」とタマオは力強く拳を握りしめた。「俺は世間の誤解を解くためにも、睾丸スキルを堂々と伝えていくんだ!」
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数日後、タマオは本格的に街頭へ出て、睾丸スキルを広める活動を開始した。リョウと美沙も、仕方なく彼のサポートに回ることに。
繁華街の一角で、タマオは自作の看板を掲げた。「睾丸スキル相談所 - あなたの悩みに力を!」と、まさにタマオらしい堂々とした文字が目を引く。
リョウは看板を見て、「いやいや、これじゃ誰も近寄れないって!」と頭を抱える。(こんなのただの変な人に見えるに決まってる……)
しかし、タマオは気にする素振りもなく、道行く人々に声をかけ始めた。「そこのあなた!睾丸スキルの力で、あなたの悩みを解決しましょう!」と堂々とした態度で呼びかける。
美沙は看板の横で、「タマオくん、もっとやんわりと……」と言おうとしたが、彼の勢いに押されて言葉を飲み込んだ。(うーん、タマオくんのこの全力さは、やっぱり止められないのよね……)
通行人たちは、タマオの姿に驚きつつも興味を持ち、少しずつ近づき始めた。「睾丸スキルって何なの?」「本当に悩みが解決できるの?」とささやき合う声が聞こえる。
一人の青年が勇気を振り絞って声をかけた。「あの……睾丸スキルって、本当に効果があるんですか?」と半信半疑の様子で尋ねる。
タマオは満面の笑みで頷き、「もちろんだ!」と力強く答えた。「睾丸スキルとは、男の心の強さとエネルギーを引き出す力だ。これを意識することで、どんな困難にも立ち向かえるようになる!」と熱く語る。
青年は少し驚きつつも、タマオの真剣な様子に引き込まれたようだった。「そ、そうなんですか……でも、それってどうやればいいんですか?」
「簡単だ!」タマオは自信満々に答えた。「まず、自分の中に秘められたエネルギーに意識を集中させるんだ。そして、そのエネルギーが高まる感覚を感じたら、心の中で睾丸をグッと引き締めるようにイメージするんだ!この瞬間、睾丸の中で力がみなぎり、体全体にエネルギーが満ちるのを感じるんだ!」
その説明を聞いていた周囲の人たちの顔が、一瞬で固まった。「え、今なんて……?」「睾丸を……引き締める?」と、思わずざわつきが広がる。
美沙はその瞬間、思わず口に含んでいたお茶を吹き出してしまった。「ぶふっ……!タマオくん、何言ってるの……!」と、顔を真っ赤にしながら必死に笑いをこらえる。
リョウも思わず頭を抱え、「ああ、やっぱり始まったか……」とため息をつく。(頼むからもう少し抑えてくれよ……)
しかし、タマオは全く気にせず、さらに熱弁を続けた。「そして、その睾丸の高まりを感じたとき!その力が自分の全身を駆け巡るのだ!その瞬間、睾丸スキルはピークに達し、君のポジティブエネルギーが溢れ出す!」
周りの人々は呆然としながらも、タマオの勢いに圧倒されていた。「なんか、すごい勢いで話してるけど……」「え、睾丸の高まりって一体……」と、動揺と戸惑いの表情が広がる。
美沙は顔を手で覆いながら、涙を浮かべて笑いを必死にこらえていた。「もう、タマオくん……!何てことを……!」と、声を震わせながら呟く。(でも、こんなに堂々と自分の話をするなんて、やっぱりタマオくんって……すごいわ)
青年はタマオの熱弁にすっかり圧倒され、半ば感心したように呟いた。「な、なんかすごい……確かに、エネルギーが伝わってくる気がする……」
リョウは青年の反応に驚き、「まじかよ……?こんな説明で納得するのか?」と目を丸くする。(でも、なんだかんだでこいつの情熱が伝わってるのかもしれないな……)
タマオは、周りの反応を感じ取ったのか、満面の笑みを浮かべて言った。「そうだ!俺の睾丸スキルは、みんなの中に秘められたエネルギーを引き出すための力だ!堂々と伝え、広めていくことで、世の中を元気にしていくんだ!」
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その後もタマオは活動を続け、次々と道行く人々に「睾丸スキル」を熱心に語りかけた。もちろん、最初は彼の話を聞いたほとんどの人が驚き、引いていた。しかし、タマオの堂々とした態度と真剣な語り口に、次第に興味を持つ者も現れ始めた。
「あの人、本気で言ってるのかな……」「でも、なんか力強いよね」「笑えるけど、元気もらえる気がする」と、人々の反応は次第に変わりつつあった。
美沙はその様子を見て、「タマオくん、あなたの情熱が少しずつ伝わってるのかも」と嬉しそうに微笑んだ。(やっぱり、タマオくんのまっすぐな気持ちは伝わるんだわ)
リョウは、「まあ、どんなに突飛な話でも、本気で語ると伝わるもんなんだな」と苦笑いしつつも、彼の努力を認める気持ちが芽生えていた。(こいつはバカみたいだけど、ほんとにすげえやつだよ)
タマオは満足気に胸を張り、「今日の活動は成功だな!少しずつでも、俺の睾丸スキルを理解してくれる人が増えてきている!」と誇らしげに声を上げた。
「いや、理解してるかどうかは微妙だけどな……」とリョウは肩をすくめて笑う。(まさか、あんな説明で納得する人がいるなんて思わなかったが……)
美沙も笑いながら、「でも、タマオくんの勢いと情熱は確かに人を動かしているわ」と優しく付け加えた。(本当に不思議だけど、彼の熱意がこうして広がっていくのを見てると、なんだかこっちまで元気になっちゃう)
その時、タマオの前に小柄な中年女性が現れた。彼女は少し戸惑った様子でタマオに声をかけた。「あの……さっきから聞いてたんですけど、その“睾丸スキル”って……どういうものなんですか?」
タマオはすぐさま勢いよく返答した。「おお!興味を持ってくれたか!」と、彼はにっこりと笑いながら続ける。「睾丸スキルとは、己の中に秘められたエネルギーを引き出すためのスキルだ!心の中で自分の睾丸を感じ、その高まりを意識することで、無限の力が湧いてくるんだ!」
女性はその説明に、一瞬ポカンと口を開けたが、タマオの真剣な眼差しに圧倒されたように「え、ええ……」と曖昧に頷く。(何を言ってるのかよくわからないけど、この人……本気なのね)
美沙はまたも吹き出しそうになり、慌てて口を押さえた。「ぷっ……タマオくん、やっぱりその説明は……」と、顔を真っ赤にして笑いをこらえる。(何度聞いても、この説明はすごい破壊力……)
リョウも内心冷や汗をかきながら、「おいおい、もう少し言い方を変えろよ……!」と心の中で叫んでいた。(だめだ、また変な方向に行きそうだ……)
しかし、タマオは全く気にせず、さらに詳しく説明を続ける。「この睾丸スキルが高まった瞬間!全身に熱いエネルギーが広がり、心の中に力がみなぎるのだ!そのとき、君の意志は揺るぎないものとなり、どんな困難も乗り越えられる!」
周りに集まっていた通行人たちも、さすがにその説明には唖然としていた。「なんか、すごいこと言ってるけど……」「睾丸の話ってここまで熱く語れるものなの?」と、ざわざわと戸惑いの声が広がる。
それでも、タマオの真剣な語りに引き込まれた女性は、「そ、そうなんですか……」と妙に感心したように頷いた。(よくわからないけど、この人の情熱には嘘がない気がする……)
美沙はその様子を見て、「タマオくん、あなたの話が伝わっているかもしれない……」と、笑顔を浮かべながら呟いた。(本当に不思議な人……でも、この人だからこそ、何かが伝わるのね)
リョウは頭を抱えながらも、「なんだよ……結局、お前の勢いで押し切ってるだけじゃないか」と苦笑いした。(だが、このパワーこそタマオの魅力なんだろうな)
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その日の活動を終え、3人は近くのカフェに入って休息を取っていた。タマオはコーヒーを一口飲みながら、「今日の反応は悪くなかったな。みんなが少しずつ俺の睾丸スキルに興味を持ち始めている!」と満足そうに話した。
「いや、興味を持ってるというか……面白がってるだけの気もするけどな」とリョウは指摘したが、その口調にはどこかタマオの活動を応援しているニュアンスがあった。(まあ、ここまで来たらもう止められないか)
美沙も笑いながら、「でも、タマオくんの話を聞いて元気づけられてる人もいたよね。あなたの情熱が伝わっている証拠だと思う」と優しく声をかけた。(本当に、タマオくんのそのまっすぐさがみんなの心に響いているんだわ)
タマオは二人の言葉に感激し、力強く頷いた。「よし!俺はさらに自分の睾丸スキルを広めていくために、明日も全力で活動するぞ!」と拳を握りしめた。
「まあ、頑張るのはいいけどさ……」とリョウは肩をすくめつつ、「せめて次はもう少し、抑えめに話してみるってのはどうだ?」とアドバイスした。(頼むから、もうちょっとマイルドにできないか……)
美沙も続けて、「そうだね、タマオくん。今日は少しずつみんなに伝わっていたから、次はもっと丁寧に説明してみるのもいいかもしれない」と微笑んだ。(このペースで、少しずつ広めていけば……きっともっと多くの人に伝わるはず)
タマオは真剣な表情で二人のアドバイスに耳を傾け、「わかった!次はもっと丁寧に、だな!」と気合を入れ直した。「しかし、俺の睾丸スキルの本質を曲げるわけにはいかない!だからこそ、次は街頭インタビューで本気をぶつける!」と意気込む。
リョウと美沙は顔を見合わせ、「また街頭インタビューか……」と苦笑いを浮かべた。(また何かしでかしそうだな……でも、この人が諦めない限り、私たちも見守るしかない)
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夕日が公園を包む中、タマオは大きく伸びをして、「よし!今日はここまでだが、俺の睾丸スキルの旅はまだ続く!」と宣言した。
リョウは笑いながら、「まあな。お前の旅は、ずっと続いていくんだろう」と肩を叩いた。(このバカと一緒なら、俺たちも飽きることはなさそうだ)
美沙も優しい表情でタマオを見つめ、「タマオくん、私たちもこれからも応援していくから、一緒に頑張ろうね」と声をかけた。(あなたが頑張る限り、私たちも支えていくよ)
タマオは二人の言葉に胸を熱くし、「ありがとう、リョウ、美沙!俺はこれからも睾丸スキルを広めて、みんなに元気を与え続ける!」と誓った。
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この日はタマオにとってまた一歩前進の一日だった。そして、次の日、彼は街頭インタビューで自分の「睾丸スキル」をさらに広めることに挑戦するのだった。
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