第10話

彼女なんだろうと思った。月曜日にあった とてもエレガントな女の子は。今日は上下 緑色のジャージを着ていたが そのためか 彼女だろうなと分かった。1週間前見た時のまま穏やかな動きの女性だった。名前は確か 小雪 だった。色白の女の子なんだろうが何と言うか そんなに凝ってつけたという感じではなかった さらりと つけた名前なんだろう。女の子の兄弟が多い家庭なのかな。どうしても女の子が欲しかった家庭に生まれたという感じの名前ではなかった。名前からも親があまり悩むこともなく さらっと つけたということがよくわかってくる。待望の女の子が生まれた時に 小雪 などという名前をつけるとは思えない。まあ 生まれたから名前がいるからつけたという感じだ。親にそんなに望まれていなかった分 自然に生きてきたんだろう。癖の少ない素直でいい子なのかもしれない。名前なんかにあまり期待されない方が 子供は素直に育つのかもしれない。僕は彼女の胸に下がっていた 名札を見た時 そう思った。

その日は 僕が1時頃出てきた時に彼女は もう 2時に帰ってしまったので ほとんど一瞬しか会うことはできなかった。顔立ちを見てあーこの子だなと思っただけで終わってしまった 大人しめな綺麗な顔立ち はやっぱり間違いなかった。こんな感じの人がいいなと またその時 思った長いお付き合いをするならこんな感じの子がいいんだ また そう思った。彼女はやはり 月曜日に来るんだ。月曜日1回来るだけなんだろうか他の曜日には来ないんだろうか。せめて 週2回ぐらいは来て欲しいもんだと思った。それにしても2時頃にはもう帰ってしまうなんて 会える時間は短いな。今日は一言も喋っていない その機会もなかった。入る時間はとても短かったが 彼女の名前が小雪という名前であることははっきり分かった。そして 毎週月曜日には来ると言うことも。

彼女のこと エレガントだと思わせる最大の理由は彼女の顔立ちだろうな。整ってすっきりしている彼女の顔立ちが彼女の動き 全体を そう思わせて彼女はエレガントだと感じさせるんだ。それに彼女の動き 彼女の動きは穏やかで物静かな感じが常にしている。そうしたものが 彼女の 顔出し と相まって 彼女はエレガントだと感じさせるんだろう。僕は彼女とはまだ一度もまともに話したことはなかった。彼女はそんな人なんだろうと 想像はしていた。おそらく 実際に話をしても彼女は控えめで素直でやっぱり エレガントな感じの人なんだろう そういう感じだった。

エレガントの大元には控えめさがあると思う。どんどん 自己主張してくるような人にエレガントな人はまずいない、だから エレガントさは慎み深さとほぼ同義語 だと僕は思っている。

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