TSしてしまった幼馴染との華麗なる日々

月城レン

プロローグ

 突然だが、俺こと矢野孝一朗は大変な局面に遭遇してしまった。

 それはなんと、幼馴染の雨宮一輝が女の子になってしまったのだ。昨夜まで男だった相手が急に女の子になる。この世は何が起こるか分からない。


 「――なあ、これからどうすればいいんだ?」

 「女の子として生きるしかないだろ。俺も協力するから頑張ろう」


 俺も協力するから頑張ろう、か。心の中でいかがわしいことを考えてしまっている時点で悪だ。

 

 「お前、喜んでいるだろ?」

 「……よく分かったな」

 

 幼馴染であり親友の一輝にはお見通しか。やはり、マイベストフレンドは違うな。


 「とにかく、お父さんとお母さんには相談したから、色々準備が終わったら学校に行くよ」

 「そうか。俺にできることはないか?」

 「もし、男子が言い寄ってきたら追い払ってくれないか。面倒臭いからさ」

 「分かった。そうしよう」


 俺の役目は決定した。学校に行こう。


 「それじゃあ、俺は学校に行くよ」

 「おう、いってらっしゃい」

 「何かあったら相談しろよ。力になるからさ」

 「うん」


 はあー……。えらいことになった。


 「孝一朗君、学校に行くの?」

 「はい」

 「気を付けて行ってね。あと、今日はありがとう」

 「いえ。では、行ってきます」

 「いってらっしゃい!」


 あー……、これからどうしよう。楽しみで仕方がないぜ。


 「それにしても、凄く可愛くなったな。やべぇ」


 俺は心に戸惑いを残したまま、学校に向かった。

 

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